ハードサーフェス、スチームパンク風 宇宙船のモデリング

アイルランドの Rory Bjorkman氏 が、ディテール豊かな宇宙船を作成します。ハードサーフェスデザインに磨きをかけましょう(Maya使用)


Rory Bjorkman
リード テクスチャアーティスト|ダブリン、アイルランド

Maya のモデリングテクニックを駆使して、装飾の凝ったスチームパンク風の宇宙船を作成します。モデルの各面に参照用のリファレンス画像を読み込んで進めますが、中級程度の Maya の実用的知識があるとよいでしょう。

01. ブロッキング:基本フォームをつくる

宇宙船の形の大まかなガイドとなる正投影画像をいくつか用意し、[ビュー]>[イメージプレーン]>[イメージの読み込み]で、これらを読み込みます(A)。次に[ポリゴンを作成]メニューから基本形状を作成、正投影のイメージをガイドに[スケールツール]や[移動ツール]で調整・配置します(B)。

分離したいフェースを選択、[メッシュの編集]>[抽出]でジオメトリを分割します(C)。次にそれぞれの距離を離し、両方の半球を選択して[メッシュ]>[結合]を適用。隙間を埋めるには、両方の半球を選択、[メッシュの編集]>[ブリッジ]を実行します(D)。

宇宙船の丸い船首(ノーズ)を作るには、まず球を作成して、不要なフェースを削除します(F)。次にエッジを選択、[メッシュの編集]>[押し出し]で船首に沿ってエッジをドラッグします(G、H)。

プリミティブで宇宙船の基本フォームをつくる

02. 船首を作成する

船首の前部をクリーンアップするため、[メッシュツール]メニューの[マルチカットツール]を使用します(A)。まっすぐ カットするには、[Shift]キーを押したまま、作成したいカットラインの方向にクリック&ドラッグ。次に余分なフェースを選択して削除します(B)。

ワイヤフレームモードに切り替え、頂点を選択(C)、船体の形に合わせてドラッグします(D、E、F)。[5]キーを押してシェーディングモードに切り替えると、イメージに適合しているか確認できます。船首をもっと面白い形状にするため、側面のフェースを選択、[押し出しツール]で厚みを内側に少しだけ押し出し、段を作成します(G)。

船首をモデリング

03. 船首のディテールを作成する

船首に沿って きれいな突起を作るため、既存ジオメトリを使用します。まず、中心に沿って走るフェースを選択、外側に押し出します。次に押し出したフェースを選択し(A)、[メッシュの編集]>[抽出]で突起部を分離します(B)。

8つの面から成る円柱を作成し(C)、突起部の中央に配置。これをガイドにして、[マルチカットツール]でジオメトリをカットします(D)。次に2つのジオメトリを結合し、円柱が突起に空いた穴に合うように配置。円柱と突起の頂点を接続するため、右クリックで[頂点モード]に切り替えます。すべての頂点を選択したら、[メッシュの編集]>[マージ]を選択します(E、F)。

船首にディテールをさらに追加

04. 前部に溝付きパネルを作る

まず、境界フェースを除いた前部フェースを選択、[メッシュの編集]>[抽出]でこれらのパネルを分離します(A)。続けてパネル内のエッジを選択、[メッシュの編集]>[ベベル]でエッジラインを分割します(B)。

ベベルを適用したエッジのフェースを選択、内側に押し出して浅い溝を作ります(C)。スムーズエッジをよりハードにするため、[メッシュ]>[エッジ ループを挿入]でエッジループを追加。このループをコーナーエッジの近くにドラッグすると、スムーズを適用したときに形状が保持されます。

船首に溝付きパネルのディテールを追加する

05. 前部の上昇スラスタ

ポリゴントーラスを作成(A)、半分を削除して残りの半分を2つに分割、少し間を空けます(B)。[メッシュ]>[結合]で2つのパーツを結合し、[メッシュの編集]>[ブリッジ]でパーツを繋ぎます(C)。これがパネルでできているように見せるため、エッジを選択(E)、3つのセグメントから成るベベルを作成します(F)。

まず3つのセグメントを押し出し、次に中央のセグメントだけさらに押し出すと、段の付いた突起になります(G)。スムーズを適用したときに形状を維持するため、角にもエッジループをいくつか追加しましょう(H)。

前部スラスタを作成する