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やってはいけない 5つの構図のミス

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英国のコンセプトアーティスト Chris Tulloch McCabe氏 が、構図における 5つのミスと その回避方法を紹介します


Chris Tulloch McCabe
コンセプトアーティスト|ロンドン、イギリス

こんにちは、コンセプトアーティストの Chris Tulloch McCabe です。これから「構図を台無しにするミス」をいくつか紹介します。それらは、私がこれまでに描く中、避けてきた 5つのことです。構図における多くのことと同様、簡単に取り入れられるシンプルなルールですが、デザイン、パース、ナラティブなどに気を取られ、見落とされがちです。

01. 形状の繰り返し

「形状の繰り返し」は頻繁に見かける大きなミスです。絵を、平然とした、精彩に欠けるルックにしてしまいます(A・B)。こうした繰り返しは、絵を非現実的なものにしてしまうことでしょう(※重厚感や有機的な要素とのコントラストを表現する建築絵画を除く)。

非現実的なスタイルで描く場合でも、コントラストとバリエーションは面白みを生み出してくれます。創造的になって、遠くの後景に見える形のシルエットについて考えてみてください。あなたの目と脳は、きっとエンドルフィンで満たされることでしょう(C・D)。

「形状の繰り返し」は頻繁に見かける大きなミスです

02. 不適切な接線

これも よくあるミスの 1つです。こうした接線は、定期的に小さく巧妙なノイズを生み出します。一度 その存在に気づいたら、取り除きたくなるでしょう! A・Bでは、1つの形状のエッジが別のエッジと並んでいますが 美しく見えません。「繰り返される形状」と違い、「不適切な接線」は現実生活の中では常に現れています。しかし、絵やショットでは、それらは見られるでしょうか?

鑑賞者とアーティストの間で交わされる約束事として、不快にさせるものは取り除いておくべきです。作品のすべての要素には存在理由があり、目を引くものは、無意識のうちに「重要である」あるいは「見てほしい要素」と解釈されます。不適切な接線は不快に感じさせるだけでなく、構図の視線移動を妨げる情報(ノイズ)にもなります。常に、要素を意図的に美しく交差させるようにしてください(C・D)。たとえば、何も考えずに、ディナーテーブルの輪郭からカップを離してしまうと、気づいたときには、もう手遅れかもしれません 。

常に、要素を意図的に美しく交差させるようにしてください

03. 小さな要素のみで構成しない

さまざまな変化やコントラストが構図には必要です。中でもスケールが最も重要と言えるでしょう。A・B の構図は、全体が中くらいの大きさの岩で構成された退屈なシーンです。一方、C・D の構図の岩のバリエーションは、相対的なスケールを表現するのに使用されています。たとえば、同じ大きさで同一の要素を表現したり、違う大きさで距離感を決定・演出したりすることができます。

また、大きさのバリエーションによって リアリズムを表現したり、フレームを越えて 大きな環境の岩盤を見せたりするのにも役立ちます。こうして、鑑賞者はフレーム内で より多くのことを想像できるのです。似たサイズのオブジェクトの集合は ノイズや繰り返しの模様に見えてしまうので、絵やショットにふさわしくありません。

似たサイズのオブジェクトの集合は ノイズや繰り返しの模様に見えてしまうので、絵やショットにふさわしくありません

04. 空間分割

「空間分割」は基本ですが、目的に応じて 柔軟に変えてもよいでしょう。ここでは、意図的にそのような例を示します。まず、A・B では構図がちょうど半分に分割され、ショットの中心には主な焦点となる水平線(アイレベル)があります。この構図は機能していますが、等分割された空間が上手くいくかどうかは、状況によって異なります。たとえば、ブックカバー用の静止画では上手くいくでしょう。しかし、環境、キーフレーム、キャラクターなどを描くような ほとんどの用途ではおそらく..。

通常は、より望ましい 1/3の空間分割を用いた三分割法を使いましょう。理想的な水平線は 約1/3 の高さになります(C・D)。鳥瞰図では 2/3 の高さにすべきですが、基本的に半分にはしません。こうしたルールは、垂直分割にも当てはまります。重要な要素を三分割法のグリッドのアクションラインに合わせれば、絵が生き生きとして、視線を一定方向に誘導します。そして、次に紹介する「目を休める」場所をもたらしてくれることでしょう。

「空間分割」は基本ですが、目的に応じて 柔軟に変えてもよいでしょう

05. 目を休める!

さて、作品を次のレベルに進めつつ、引き締めるのに役立つ巧妙な要素があります! 「もう十分に描いた。次は、目を休めよう」と言いきることができますか?

構図A のテクスチャは見映え良く、形状は興味を引きますが、落ち着かせるには何かが必要です。情報が多すぎるので、目を休める場所を作り、作品に自信があることを示しましょう。それは、絵の中で詳細な領域を目立たせるのにも役立ちます! Bでは 左上に小さな目を休める場所がありますが、十分とは言えません。

構図C は風通しの良い開放感があり、鑑賞者は美しいものを見回しながらシーンを味わうことができます。目を休ませる場所の もう1つの側面は、視線を導くツールになることです! D は ノイズが少なく、白でハイライトされた 目を休める場所があります。これを利用すれば、構図によって 視線を誘導できます。つまり、要素を使って 強制的に視界に入れるのではなく、むしろ、その要素を取り除いています。それは「視線を導くパンくずの跡 = ディテール」「パンくずのない荒野 = 目を休める場所」を作り出しているようなものです。

「視線を導くパンくずの跡 = ディテール」と「パンくずのない荒野 = 目を休める場所」を作り出しているようなものです


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翻訳:STUDIO LIZZ (TK)
編集:3dtotal.jp

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