PureRef、3D-Coat、Modo.. デジタル制作のためのヒント&お役立ちツール

NXA Studios のコンセプトアーティスト/ 3Dキャラクターアーティスト Manuel Robles氏 が、インスピレーションの見つけ方やアイデアの整理など、役立つヒントやアドバイス、そして、それに使えるツールを紹介します


Manuel Robles
コンセプトアーティスト|ブエノスアイレス、アルゼンチン


ヒント1:アイデアとインスピレーション

■使用ソフト:PureRef(フリーソフト)
新鮮なアイデアが常に見つかるとは限りません。インスピレーションを得るため、散歩、映画鑑賞、読書など、さまざまな方法を試してください。もし、アイデアを見つけたら、役立ちそうなリファレンスをまとめましょう。PureRef はそのような画像を表示するのに最適なツールです。画像のリサイズ・移動・回転を実行して、Photoshop に直接コピー&ペーストできます。

インスピレーションとなった映画『プレデター』と『ジュラシックパーク』のイメージ

ヒント2:3Dと構図

■使用ソフト:3D-Coat
デザインの最も重要な部分の1つは 構図だと思います。構図のスキルを向上させるには、映画を研究したり、小さな白黒のサムネイルを描いたりしましょう。3Dソフトウェアを使えば、構図の設定を簡単に行えます。たとえば、3D-Coat ならスケッチするように素早く3Dのベースジオメトリをスカルプトできます。つまり、スカルプトしながら、構図の確認を行えるでしょう。

ビューポートから、さまざまな視点や構図を試します

ヒント3:3Dのカメラとライト

■使用ソフト:Modo
3D-Coat から Modo にシーンを書き出せます。ここでは、カメラビューをロングレンズやワイドレンズに変更したり、ライティングや比率を変更したり、テクスチャを適用したりできます。さまざまなカメラやアングルを用いてアイデアを即興で変更し、最適な構図を見つけたら、レンダリングを実行します。あとはプロジェクトの次の段階に進むため、Photoshop で画像を開くだけです。

Modo でワイドレンズとライトの向きを設定して、レンダリングします

ヒント4:ペインティングの基本原則を用いたフォトバッシング

■使用ソフト:Photoshop
フォトバッシングでは、アイデアに沿った特定の写真を見つけることが重要です。思いついたアイデアを喚起させる画像であれば、うまくいくでしょう。それらはすべて高解像度で、ライトの向きはレンダリングイメージと同じでなければいけません。ペインティングの基本原則と光の振る舞いの理解は、この段階で必須の知識です。ここでは Photoshop の2つのテクニック[カラーの適用]と「重ね塗り」で、イメージになじませています。

基本的な色調補正を施し、パースをあわせた写真

ヒント5:基本要素のペインティングとリファレンス

■使用ソフト:Photoshop、PureRef(フリーソフト)
イメージの構造をペイント/修正することは、きわめて重要です。焦点を明確にして、基本要素をペイントしましょう。たとえ適切なリファレンス写真が見つからなくても、十分な知識と自信をもって、取り組まなければいけません。ここでも、たくさんの高品質なリファレンスを使って、作業を進めてください。

完成イメージ。リファレンスを見るときは PureRef を使います


編集部からのおすすめ:描くためのセオリーを学ぶ/再発見するには、書籍『デジタルアーティストが知っておくべきアートの原則』そして『続 デジタルアーティストが知っておくべきアートの原則』を。フォトバッシュやブラシのテクニックで 素早く絵を仕上げる技法、スピードペインティングを学ぶには、書籍『スピードペインティングの極意』をお勧めします。

 


翻訳:STUDIO LIZZ (TK)
編集:3dtotal.jp