【インタビュー】フリーランス コンセプト&ゲームアーティスト Damien Mammoliti氏
書籍『続 デジタルアーティストが知っておくべきアートの原則』にも作品が収録されている、フリーランスのコンセプト&ゲームアーティスト Damien Mammoliti氏が、そのインスピレーション、ファンタジーへの情熱、制作ワークフロー、今後について語ります

Q. 自己紹介をお願いします
私は SEGA や CD Projekt Red などのビデオゲームスタジオのコンセプトアート制作や Wizards of the Coast や Paizo Publishing などのメディア・書籍のイラストを手掛けています。 フリーランスとして働き、日当たりの良いカナダ北部にある自宅で働き、雪で閉じ込められている状況を楽しんでいます。
Paizo Publishingの『Pathfinder』のイラスト(書籍『Pathfinder Adventure Path』シリーズに掲載)
Q. アートに進む きっかけとなった人物を教えてください。また、現在は誰からインスピレーションを得ていますか?
子どもの頃は、書籍のイラストレーターやアニメーション映画が大好きでした。最大のインスピレーションの源は グレゴリー・S・ポール のような古代を専門とするイラストレーターで、そのハイレベルのディテールと正確さがお気に入りでした! 現在、インスピレーションのほとんどは、仲間のコンセプトアーティストから得ています。彼らは、目標を指し示してくれます。また、ビデオゲームのアートブックを収集するのも好きで Joao Ruas や Justin Cherry といったアーティストからも影響を受けています。
『Sigantium RPG』に登場するネクロマンティック ドラゴン「Sygius」
Q.あなたの作品には、スタイルと内容の両面でさまざまなバリエーションがあるかと思います。好んで作品に取り入れている特定のフォームはありますか? また、苦手なものもあれば教えてください
私は「ファンタジー」に取り組むのが大好きです。なぜなら、子どもの頃から慣れ親しんできたテーマであり、モンスターや衣装を描くことができるからです。想像力を働かせるのと同時に、歴史的な参考文献を駆使して、多種多様な要素を扱うことができます! 苦手なのは...(特に1つのテーマに絞ることはできませんが)。しいて言うなら、現代の都市景観です。おそらく、苦手とするテーマの1つですね。
中国の神話上のクリーチャーをテーマに描かれた作品『地獄の歓迎』
Q.作品制作で使うソフトやプラグイン、テクニックを教えてください
制作では Photoshop や ワコム Cintiq 22HD を使用しています。私のテクニックは、スケッチに形状や影を描き入れ、ディテールを描画する従来からのペインティング技法に基づいています。学生生活で学んだ伝統的な手法は、デジタル制作でも上手く機能します。従来の手法がこんなにもデジタルに順応することに驚いています。
オンラインのペイントコース用に作成された静物画。静物は練習に最適で、教育のための素晴らしい素材です
Q.厳格なワークフローをお持ちですか? 制作中にいろいろ試すことが好きですか?
さまざまな作品を描いています。あるときはドラゴンを描き、あるときは地図を描いているかもしれません! 私の通常のアプローチは、締め切りや複雑さといった要件に合わせています。時間があれば、いろいろ試すこともありますが、そうでなければ、非常に厳格なワークフローで締め切りを守ります。ペンを置くタイミングを見失わないようにしてください!
『Witcher 3 (ウィッチャー3 ワイルドハント)』コレクターズエディションのワールドマップ(CD Projekt Red より依頼)
Q.芸術的な目標はありますか?
今やっていることを続けたいですね。ただし、より幅広くより良いものを求めて! 正直なところ、私は、巨大な宇宙の中で自分の居場所を見つけたように感じています。自分のニッチ(適所)が早い段階で見つかったのは幸運でした。年老いて、灰色になるまでやるべきことを続け、より大きなタイトル、より良いイラストを作成していきたいと思います!
書籍『続 デジタルアーティストのためのアートの原則』のために描かれた「恐怖」のイメージ
Q.今後、身につけていきたい新しいスキル、ソフトウェア、テクニックはありますか?
将来的には 3D に関する知識を取り入れたいと考えています。そうすれば、基本的なシーンをたくさん設定するのに役立ち、ワークフローも改善できると思います! 今のところ、私の慣れ親しんだ手法とはかけ離れていると感じますが、時間の経過とともに、ワークフローに取り入れるべき知識を理解できるようになることでしょう。
Q.今後の展望をお聞かせください
これまでと同様に、より大きく、邪悪で、叙事詩的な作品を手掛けていきたいです。この仕事が大好きで、働く毎日に幸せを感じています。この先、皆さんとお会いする機会もあるかもしれませんね。
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