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【インタビュー】3Dジェネラリストという仕事。フィンランドの Tomi Vaisanen氏

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フィンランドの 3Dジェネラリスト Tomi Vaisanen 氏が、その魅力的なポートフォリオ、自身のキャリアなどを、少し辛口に振り返ります


Tomi Vaisanen
3Dジェネラリスト|フィンランド

フィンランドを拠点とする 3Dジェネラリスト。Ubisoft RedLynx 社 のレーシングゲーム『トライアルフュージョン』などの制作に携わってきました
フィンランドを拠点とする 3Dジェネラリスト。Ubisoft RedLynx 社 のレーシングゲーム『トライアルフュージョン』などの制作に携わってきました

Q.自己紹介をお願いします

こんにちは、私は Tomi。3D をやっています。多くのフィン人とは違って、アルコールが得意ではありません。フィンランドは、サウナ、ホッキョクグマ、精神障害で知られています。外はいつも暗く、人々は落ち込んでいるか酔っ払っています! 私がこうした運命から逃れられたのは、芸術活動に生きがいを見つけ、没頭できたからです。最終的に その趣味は仕事になりました。広告業界で数年働いた後、ゲーム業界に転進。現在は Ubisoft RedLynx で 3Dアーティストとして働いています。

「Bells & Whistles」:Assembly 2014 グラフィックコンペティション 1位受賞作品

Q.あなたの創造性の背景にあるものは何ですか? どのようにして 3Dと出会いましたか?

私は「レーザーを撃ち合う恐竜の戦い」を描くような子供でした。重要なことについて あまり気にせず生きてきたので、芸術の道へ進むことは必然でした。自分にぴったりのツールに「3D」を見つけ出すまで、基本的にたくさん描いたり、ビデオを編集したり、あらゆる種類のモーショングラフィックをやりました。当初「3Dアート制作には数学の勉強が必要だ」と思っていましたが、それは間違いでした。指を使って やっと計算できる程度の私ですが、今でも 3Dを続けています。 最終的に、大学でマルチメディア制作を学びました。授業には、それまで試したことのすべてが含まれていましたが、その質はひどいものでした。卒業前にフルタイムの仕事を始めました。実は まだ卒業していませんが、それ自体に興味はありません。

「Precious Cargo (大切な積荷)」:個人制作(使用ソフト:3ds Max、V-Ray、Fusion、Photoshop)

Q.芸術的なインスピレーションは、誰から受け取っていますか?

本当に並外れた才能を持つアーティストがたくさんいるので、絞るのは困難です。ArtStation のトップページを見るだけで、自分が嫌になります! キャリアの中で、定期的に才能豊かな人々と出会えることに幸運に感じています。

「Crowd Control Unit (治安部隊)」(使用ソフト:3ds Max、Mudbox)

Q.普段、どんなソフトウェアやツールを使用していますか?

3ds Max を愛用していますが PhotoshopAfter Effects など、他の一般的な業界標準ツールも よく使用します。私は常に、新しいソフトウェアやワークフローを学んでいます。現在は、写真撮影に興味があり、仕事で活用する方法を研究しています。

「Freightliner (コンテナ貨物列車)」:個人制作(使用ソフト:3ds Max、Corona Renderer、Photoshop)

Q.通常の 3Dワークフローを教えてください

いいでしょう、それは完全な「混乱」です。静止画に取り組むときは、通常、キャンバス上でアイデアを得るため、「素早く荒いフォトバッシング」「塗りつぶし」から始めます。おそらく、誰もこのような素早いスケッチを見たことはないでしょう。その後、適切な出発点となりそうなものからモデリングを開始します。それらは通常、最終イメージからは想像もできないような些細なディテールです。 モデリングが一定の段階に達すると、Photoshop と 3ds Max の間を行き来して、最終イメージの見え方を把握します。その後、それが嫌になるまで繰り返し、出来栄えに十分満足したら完成です。最終イメージは 10〜15分くらいならよく見えるでしょう。しかし、それ以上見続けるとみすぼらしく見えてきて、より優れた新作に取り組む大きな衝動となります。これが、向上心につながるのです。

「Middle East Express (中東エクスプレス)」:戦車のデザイン(使用ソフト:3ds Max、Fusion、Photoshop)

「Hazmat Headgear (防毒ヘッドギア)」:個人制作(使用ソフト:3ds Max、V-Ray、Photoshop)

Q.業界を目指すアーティストにアドバイスをお願いします

こうしたインタビューに答える暇があれば、もっとアートに取り組んでください! 他人が望むものではなく、自分が望むものを作成しましょう。(それが何であれ)自分のしていることに情熱を持ち、フォーラムに作品を投稿し、仲間とつながってください。そして、ブロッコリーを食べることも忘れずに。

「Heart of Eden (エデンの心臓)」:個人制作。フィンランドのヘルシンキで開催されたデジタルアート展のために制作

Q.これまでの個人制作やプロの仕事で、最大の成果は何だと思いますか?

「デモパーティー」のさまざまなグラフィックコンポ やショートフィルムで賞を獲得しました。もちろんそれらも素晴らしい結果ですが、私にとっての大仕事は、E3向けに作成した『トライアルフュージョン オーサムレベルMAX』 のトレーラー でしょう。これは、まったく新しく恐ろしい挑戦でしたが、とても楽しむことができました。

★トレーラー:Trials Fusion Awesome Level Max E3 Trailer - IGN Live: E3 2015(45秒)

Wasteland Truck (荒野のトラック)」:ポストアポカリプス(大破壊後)の車両デザイン(使用ソフト:3ds Max、V-Ray、Photoshop)

Q.最後に、余暇があれば何をしたいですか?

多くのギークたちと同じように、やりたいコンピュータゲームや見たい映画がたくさんあります。もちろん、モニターの前で 1日中アートをやっているのは健康的な習慣ではありません。そこで、少なくとも何らかのフィットネスに取り組んでいます。また、休日の私は、唐辛子をふんだんに使った料理をふるまう腕利きのシェフです。

「Marshland Sovereign (湿地の王)」(使用ソフト:3ds Max、Mudbox、Fusion、Photoshop)

Q.インタビューを受けてくれてありがとう

ありがとう! 有意義な時間でした。

プロのヒント1:テクスチャをアーカイブする

今日、私たちは、常にデジタルカメラを所持しています(少なくともスマートフォンは携帯しています)。絶えず、さまざまな形や模様を写真に撮影して、テクスチャやリファレンス画像として、作品の一部に使用しましょう。

「Planetarium (プラネタリウム)」:個人制作(使用ソフト:3ds Max、Corona Renderer、Photoshop)

プロのヒント2:キットバッシュのライブラリをつくる

3D、とりわけ、モデリングには手間がかかります。そこで、自作のキットバッシュ ライブラリを構築して、定期的にアップデートを重ねれば、作業を高速化できることでしょう。このとき、ジオメトリだけでなく、マテリアルとテクスチャも保存しておきましょう。同じことを 2度行う必要はありません。

「Shells (薬きょう)」:フォトリアルなスタイルを試した作品(使用ソフト:3ds Max、V-Ray)


翻訳:STUDIO LIZZ (TK)
編集:3dtotal.jp

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