プログラマーから転身、異色のコンセプトデザイナー Christopher Schiefer氏
プログラマーから転身、異色のコンセプトデザイナー Christopher Schiefer氏が、そのポートフォリオから、ポートレートやエンバイロメント(環境)作品を紹介。これまでに学んできたことやインスピレーションを共有します
Q.自己紹介をお願いします
こんにちは! ドイツ在住のコンセプトデザイナー、Christopher Schiefer です。12歳から ほとんど独学でスキルを習得してきました。最近では、メンターである コンセプトデザイナー Wojtek Fus、そして、Maciej Kucijara のコースから多くを学んでいます。コンセプトアートへの情熱を見つける前は、フリーランスのグラフィックプログラマー/テクニカルアーティストとして働いていました。
私の持つあらゆる技術スキルを、この作品で上手く統合できました。3D・写真・構図・デザイン、そして多くのパースガイド線を使用しています! より良いテクニックを用いて、多くの練習をこなせば、時間経過とともに 作業も速くこなせるようになります
Q.デジタルアートに熱中するようになったきっかけは何ですか? 好きなアーティストはいますか?
Feng Zhu のコンセプトアートをオンラインで見て、彼自身が表現する極限の自由に感銘を受けました。それ以来、私の目指すものはデジタルペインティングになりました(仕事のお決まりのやり方から逃れたいと思っていたので、ゆっくりとデジタルペインティングに移行しました)。もっと自由にやりたいことをするために自分の心に従ったのです。それから、Craig Mullins の作品を目にして、100% デジタルアートにのめり込みました!
ポートレートも描きます。ワークフローは以下のとおりです:①ドローイング ②空の間接的なオクルージョン ③最初のバウンスライトの間接的なオクルージョン ④プライマリライトの直接的なオクルージョン ⑤あらゆる平面変化を組み込む ⑥反射 ⑦仕上げ。この方法では目にあまり頼らず、イメージのコンポジットによって、正確な色を表現できます
Q.作るのが好きな作品/仕事の種類について教えてください
たくさんのデザインと構成要素で、大規模なエンバイロメントをペイントするのが好きです。遠近法で描く方法、適切な合成方法、デザインの作成方法を学んで以来、これらはすべて重要だと思っています。また、制作パイプラインの各段階で用いるあらゆるペイント作業も大好きです。可能な限り、自分のスキルを役立てていきたいと思っています。
ここでは、すべて手作業でペイントしないことに重点を置きました。私たちは高品質で素早く進めなければいけないので、毎回新しい作業方法を見つける必要があります。これは そのような作品でした。多くの柱・建物・馬・人物には時間が掛かります。それを正確に行う方法はいくつかありますが、迅速に行う必要があるのです!
Q.通常、使用するソフトウェアやプラグインは何ですか?
最大のブレイクスルーは、プログラミングの知識と 3Dの知識(そして、Photoshop でのペインティング経験)を組み合わせ始めたときに起こりました。それにより、わずかな時間で豊かなディテールと大きな構成要素を含む大都市を作成できたのです(自分が知っているツールのみ使用しました。「チート」ではありません!)。使用ツールは Photoshop から Blender のような 3Dソフトまで多岐にわたります。スピードと品質のために、できるだけリサイクルを試みてください!
このペインティングの目的は、ベースをシンプルに保つことでした。作業を始める前に建物のデザインを複数作成し、ワークフローをいくつかの段階に分けます。すべてを 1度にやろうとしないでください。①リファレンス ②3D/2Dレイアウト ③パースと大気のガイド ④写真で構築(フォトバッシング) ⑤カラーマッチング ⑥ライティング ⑦大気 ⑧仕上げ!
Q.制作方法について教えてください。どのように計画・構築していますか?
私にとって最も重要なことは、精度の維持です。時間さえあれば 言い訳はしません! パース・ライティング・構築・デザイン・構図に慎重に取り組むべきです。ペインティングを段階的に分けることをお勧めします。
制作プロセスの70%は「セットアップ」です。
・2D構図
・3Dレイアウト
・構築フェーズ(写真テクスチャとパースをつけたペインティング)
残りの30%が「色補正とライティング」です。
・すべての構築物を照らす(カラーマッチング、ライティング、大気)
・仕上げ、ブラシワークで視線を誘導する
試してみてください!
Q.芸術的な目標はありますか?
1つは「アートのあらゆる側面に深く追求すること」です。もう1つは「通常 数週間を要するアートワークを 1-2日で質を落とさずに制作すること」です。そして、世界中にいる多くのアーティストに、自分が得た知識を伝えたいと思っています。
彫像・人物・柱、そして、湾曲した天井の豊富なディテールを強調するために取り組んだ作品。このように 私は、パースのスキルに重点を置いています。それらがなめらかであれば、写真から3Dまで すべての要素を上手く表現できるでしょう
Q.これから学びたい新しいスキル、ソフトウェア、テクニックはありますか?
写真撮影や伝統的なペインティングテクニックについて、もっと学びたいと思っています。それらは、コンセプトアーティストに間接的なメリットをもたらすだけでなく、最終的なマットショット制作では実際に役立つことでしょう。そして、より効率的なテクニックも追求していきたいと思っています。もちろん、ソーシャルスキル(社交術)の向上も忘れてはいけません。
Q.次回作は どこで見れますか? クールなプロジェクトの予定はありますか?
コンセプトアートにおける 3D、建築写真の使用などのトピックに焦点を当てたパースのチュートリアルを公開しています。Gumroad をチェックしてみてください! また、Facebook や ArtStation に新作を投稿しています!
編集部からのヒント
正確なパース、色と光で作るムード.. 幻想的な絵を描くには、書籍 『Photoshopで描くSF&ファンタジー』を、フォトバッシュやブラシのテクニックで 素早く絵を仕上げる技法を学ぶには、書籍『スピードペインティングの極意』をお勧めします。