ZBrush でつくる:スタイライズされた ハンニバル・レクター
3Dアーティスト Alfonso Coppola氏 が、カートゥーン調のハンニバル・レクターを制作過程を紹介します

はじめに
皆さん、こんにちは。イタリアのミラノを拠点に活動している 3Dアーティストの Alfonso Coppola です。この作品で目指したのは「カートゥーン調のプロポーションとリアルな肌のディテールを組み合わせたキャラクターを作ること」でした。Mari についての知識とスキルを伸ばす絶好の機会となり、制作はとても楽しいものでした(※ このキャラクターは、Gabriel Soares 氏 によるコンセプトアートをもとにしています)。
01 リファレンスの収集
リファレンスは常に重要です。今回のプロジェクトでは、適切な画像を比較的簡単に見つけることができました。また、『羊たちの沈黙』をはじめとする ハンニバル・レクター 関連の映画も、この作品に合う雰囲気をつかむのに大いに役立ちました。
リファレンスの一部
02 モデリング
モデリングは ZBrush のダイナメッシュの球体から始めます。このやり方は、形状を気にせずスカルプトに集中できるので気に入っています。今回のコンセプトは かなり特徴的なプロポーションだったため、最初は正しい形を再現するのに苦労しました。
ZBrush でのモデリングプロセス
03 リトポロジーと UV
主要な形をブロックアウトできたら Maya に移り、強力な[四角ポリゴン]ツールでリトポロジーを行います。頭部が完成したら、衣装も Maya 上で直接モデリングし、ZBrush でのスカルプトに適したトポロジーを準備します。UV については、頭部に2つの UDIM を割り当てることにしました。
リトポロジー処理
最終的なトポロジー
04 ディテールの追加
リトポロジーと UV が完了したら、再び ZBrush に戻り、プロジェクションと最終的なディテール調整を行います。Texturing XYZ のマップを使う予定だったため、この段階では肌のディテールに深く踏み込んでいません。すべてのパーツが整ったら、テクスチャリングで使用するマップを抽出します。
ZBrushでディテールの調整
05 テクスチャリング
テクスチャペイントには Mari を使用します。作業時間の大半は、Texturing XYZ のディスプレイスメントマップとディフューズ(拡散)テクスチャを頭部に投影する作業に費やしました。
ディスプレイスメントマップは、ジオメトリの凹凸を再現するだけでなく、レンダーエンジン上でスペキュラ(鏡面反射)やグロッシー(光沢)マップとしても活用できるため、非常に便利です。また、ルックデヴ段階で役立つ 3種類の RGBマスクもペイントします。一方、衣装は完全にプロシージャルで作成し、ここでも Texturing XYZ の布地テクスチャを使用しています。
ディフューズ(拡散)テクスチャ
ディスプレイスメントテクスチャ
RGBマスク1
RGBマスク2
RGBマスク3
06 XGen と ライティングのセットアップ
レンダリングの準備は整いました。私は髪の毛と産毛に Maya の XGen を使用します。Arnold を使うのは初めてでしたが、他のレンダーエンジンに比べて、ルックデヴのプロセスが簡単に感じられました。ライティングは、キーライト1つ、リムライト1つに加え、光を遮るブロッカー(遮光板の役割)をいくつか配置して、陰影にメリハリを出しています。さらに、バウンスライト(反射光)をシミュレートするために、シンプルなプレーンも2枚使用しています。
XGen
XGen のディテール
ライティングのセットアップ
07 LPEと最終合成
今回は、Arnold の Light Path Expression AOV で 複数のレンダーパスを書き出します。レンダーパスを分けることで、ポストプロセスの自由度と柔軟性が大きく高まるでしょう。最後に Nuke でコンポジット作業を行います。制作全体の流れをまとめた簡単なブレイクダウン動画も収録しているので、レンダーパスの図と合わせてご覧ください。
レンダーパス
完成イメージ
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