原始人風 スーパーマン『Superman Hereafter』のメイキング
06 オオカミを作る
オオカミもスーパーマンと同様に ZBrush でスカルプトします。まず、基本ボディをスカルプトし、ダイナメッシュのより高い解像度で洗練します。次に、[Zリメッシャー]でリメッシュし、Blender で UV を作成。最後に ZBrush に戻し、先ほどのブラシパックで毛皮をスカルプトするなど、高解像度のスカルプティングを施します。オオカミのモデルは、ZBrush のポリペイントでカラーマップを塗り、4Kテクスチャでディスプレイスメントとカラーマップをベイクしました。
オオカミも ZBrush でスカルプトします
07 リギングとポージング
リトポロジ、UV、テクスチャリングを終えたので、すべてのモデルを Blender に取り込んでポージングしましょう。スーパーマンのポージングには、Blender の「meta-rig human」プリセット([追加]>[アーマチュア]>[Human(Meta-Rig)] )を使い、オオカミには「wolf」プリセットを使います。
このポーズはエピソードそのものではなく、スーパーマンがオオカミとリラックスしたポーズで立ち、片手を背中に添えるという私の勝手な想像です。注:どんなキャラクターでもポーズを付けるときは、シルエットを見てください。シルエットがわかりやすいかどうかが大事です。
スーパーマンのリグ/オオカミのリグ
08 マテリアル、ライティング、レンダリング
マテリアル:すべてのモデルで、マテリアルのサブディビジョンにディスプレイスメントマップを適用します。そのためには、マテリアルプロパティの[設定]>[サーフェス]を[ディスプレイスメントとバンプ]にします。レンダーモードのディスプレイスメントマップに従い、メッシュジオメトリをディスプレイスメントさせましょう。続けて、それぞれのマテリアルにモデルのカラーマップとラフネスも追加します。ボディメッシュ(頭部、胴体、腕)には、サブサーフェスも少量使います。肌のSSSは[ランダムウォーク]の方がよいでしょう。
ボディのマテリアル
ライティング:このシーンでは 3点照明とHDRI(ごくわずかな強度)を使います。
ライティング設定
レンダリング:Blender の Cyclesレンダリングエンジンで、サンプル:600、タイルサイズ:256×256、Optixノイズ除去、解像度:3125×3125 でレンダリングします。1080ti GPU で5~6分ほどかかりました。
レンダリング設定
09 合成と仕上げ
あとで背景を追加できるように、Blender で透明度を指定してレンダリングします。合成と最終調整には After Effects を使います。背景にはグラデーションのかかった濃いマゼンタを使い、色収差、シャープネス、グレイン、少量のグローなどのエフェクトをかけて仕上げます。
オリジナル背景/ポストエフェクトを追加したもの
他の背景を追加したもの
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