原始人風 スーパーマン『Superman Hereafter』のメイキング

CGアーティスト Aneesh Chandra 氏 が、作品「Superman Hereafter」の制作ワークフローを紹介します


Aneesh Chandra
CGアーティスト|カナダ


はじめに

私はよくTVアニメの『ジャスティス・リーグ』見ていました。お気に入りのエピソードが「Hereafter」で、それは、たった1人地球に降り立ったスーパーマンが、生き残るために奮闘するというコンセプトでした(遠い未来に飛ばされてしまい、パワーを失った彼は、現在に戻る方法を見つけ出すというストーリー)。原始人のようなスーパーマンの風貌がとても印象的だったので、今回、3Dで表現したいと思いました。以下に、制作プロセスを示します。

01 リファレンスの収集
02 ZBrush で基本モデルをスケッチ
03 スカルプトを洗練させ、スタイライズ(様式化)
04 リトポロジ、UV、ディテールのスカルプト
05 テクスチャを作る
06 オオカミを作る
07 リギングとポージング
08 マテリアル、ライティング、レンダリング
08 合成と仕上げ

「Superman Hereafter」

01 リファレンスの収集

TVアニメ『ジャスティス・リーグ』に登場するキャラクターなので、該当エピソードからスクリーンショットを撮り、多くのリファレンスを集めました。Google で見つけた同シリーズのスーパーマンの画像も参考にしています。

リファレンス(頭部、背景、オオカミ、ボディ)

02 ZBrush で基本モデルをスケッチ

ZBrush で球を追加、ダイナメッシュにしたら、リファレンスを見ながら、頭部をスカルプトしていきます。スカルプトを洗練するのに必要なトポロジになるまで、ダイナメッシュの解像度を上げます。ヒゲと髪の部分は、マスキング&抽出し、再びダイナメッシュにしてスカルプトします。

頭部

頭部と髪の部分に満足したら、胴体用にもう1つ球を追加、ダイナメッシュの解像度を上げて洗練します。脚と腕にも球を加え、同じテクニックを繰り返します。それらができたら、頭部と同じマスキング&抽出テクニックで、衣服、ブーツ、アームガードなどを作ります。

ボディと衣服のラフスケッチ

ベルトは[IMM Curve]ブラシで作成し、剣と鞘はプリミティブを3Dギズモで編集して作成。鞘は円柱をスケールして作り、キャラクターに合わせて配置しています。

03 スカルプトを洗練させ、スタイライズ(様式化)

基本モデルに満足したら、次のステップ「モデルの洗練」に移ります。必要な部分に面を作ったり、スタイライズされたしわや折り目線を入れたり(お気に入りのパート)しましょう。また、爪のパーツ、バッグやベルトのバックルなどのモデルも洗練し、マテリアルで色を表して、キャラクターのルックを確認します。

洗練させたモデル

04 リトポロジ、UV、ディテールのスカルプト

Blender でリトポロジをします。モデル全体ではなく、頭部、胴体、腕などのパーツのみリトポロジし、UVも作成しておきます。アニメーション用モデルではないので、細かいことはあまり気にしません。

Blenderでリトポした部分、ZBrush で[Zリメッシャー]をした部分

残りのパーツには[Zリメッシャー]を使い、[ZremesherGuide]ブラシでガイドラインを設定してリメッシュします。UV の作成は、ポリグループや UVペイント機能を使ったり、モデルを Blender に取り込んだり、さまざまな方法で取り組みました。

ボディの UV、衣服やベルト類の UV

スタイライズされた折り目や平面など、最終的なディテールをスカルプトするために、UV を含むすべてのパーツを ZBrush に取り込みます。毛皮のディテールには、Jarred Everson の「Fur Brush Pack」を使っています。

05 テクスチャを作る

モデルのテクスチャリングでは、まず、ZBrush ですべてのパーツをベイクし、ディスプレイスメントと法線マップを取得します。Blender でこれらのマップを使い、ジオメトリにスタイライズされた折り目を表現します。

注:モデルのディスプレイスメント マップをベイクするときは、最低サブディビジョンでベイクしていることを確認してください。そうすれば、Blender にローポリメッシュをインポートし、サブディビジョンでディスプレイスメントマップを適用できます。

ボディカラーマップとラフネスは Substance 3D Painter でペイントし、他のパーツはマテリアルで色を設定します。