ディスニーの『ヘラクレス』インスパイア、『冥界の王 ハデス』のメイキング

06 髪の毛

ハデスの髪の毛には、MayaXGen を使用します。まず、毛束をキャップなしのチューブとしてモデリングし、[チューブ グルーム](Tube Groom)で最初のガイドを作成。毛束を複数に分け、グルーム(手入れ)とコントロールをやりやすくしています。その後、密度マップと領域マップをペイントし、さらに見た目をコントロールできるようにしました。

仕上げに、[束][カット][ノイズ][コイル]などのモディファイアを追加し、インタラクティブ グルーミングに変換して、思いどおりの髪型に仕上げました。この方が、ガイドをスカルプトするより簡単です。ハデスには基本的に髪がなく、実際の頭部は青い炎なので、グルーミングブラシで、燃えている感じを模倣してみました。髪を整えた後に、眉毛、まつ毛、腕の産毛のような小さな毛も加えています(※ XGen に関しては、こちらのチュートリアルも参照ください:ZBrush 使用、プリンセス戦士のメイキング)。

 

XGen とインタラクティブ グルーミングで髪を整える

07 衣装

シャツとスカーフは Marvelous Designer でブロッキングします。最初にモデルをインポートして、シャツとスカーフを含むパターン(型紙)を作りました。私はインターネットでパターンのアイデアを検索し、見つけたものを組み合わせています。そして、衣装の最終ディテールは、ZBrush で作成しました。

 

最終的な衣装モデル

08 ライティング

ライティングとレンダリングは、Arnold(Maya)で行いました。このシーンでは、合計5つのライトを使っています。キーライトのエリアライトを1つ、リムライトのエリアライトを3つ(白、青、その他の色)、そして、フィル/反射用の HDRIライトです。

 

ライティングには5つのライトを使用

09 マテリアルとレンダリング

スキンシェーダ ネットワークには aiStandard の Subsurface 設定を使用します。ディスプレイスメントは2つ用意し、MultiplyDivide、PlusMinusAverage、luminance ノードを組み合わせています。スペキュラを別シェーダで作り、aiMixShader でミックスするのがお勧めです。

 

レンダー設定とマテリアルネットワーク

10 合成

レンダリングした複数のパスを Photoshop で合成します。その後、画像を色調補正し、映画のオリジナルカラーに基づいてカラーグレーディングを行い、同じ感覚に近づけました。さらに、ポストエフェクト(レンズ効果、カメラブラーなど)を加え、最終レンダリングの臨場感を高めています。

 

合成とカラーコレクションのプロセス(右から左へ)

 

完成イメージ(カラー/モノクロ)

 


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編集:3dtotal.jp