スピードペインティング:「スチームパンク・メカニカルデストロイヤー」

ステップ 04

このロボットのコンセプトを膨らませていくと、このロボットをがらくた置き場で働かせるというアイデアを思いつきました。彼はそこにいる、金属スクラップの「デストロイヤー」というわけです。このアイデアは、私が作ろうとしていた全体のポジティブな印象とも矛盾しません。このロボットががらくた置き場で働いていることは、背景を使って暗示させることができるでしょう(図07)。

図07:がらくた置き場で働いていることは、背景を使って暗示させることができるでしょう

ステップ 05

これまでの手順では、ロボットの左手が何からできていることにするかをはっきりと決めていませんでしたが、形を試していく過程で、左右が同じような形の腕でないほうが、視覚的に面白くなるだろうと思っていました。いくつか簡単にデザインを試した後、ドリルのような腕にすることに決めました(これで、さらにこのロボットの「デストロイヤー」という説明にも合うようになります)。さて、左手ができて、より細かい形とテクスチャの作業を始める準備が整いました(図08)。

図08:ドリルのような腕にすることに決めました

ディテールの追加とレンダリング作業を始めたところで(図09)、下に敷いてあったスケッチから黒い部分の多くを取り除き、落ちている影や地面からのバウンスライトを考慮して、もう少しリアルに見えるようにしてみました。

また、彼の頭部をどうするかを決めるために、頭部にも多少ストロークを足しました。ここで背景にももう少し手を加えます。澄んだ色の空にして、背中にある火室と煙突のデザインを変えて、地面をもう少し温かい色にしてみました。しかし、この段階でもまだ、頭部をどうするかの決心がつきません(図10)。

図09(左)/ 図10(右)

ステップ 06:仕上げ

やっと、ロボットの顔に取り掛かります。しばらくの間、(頭部をコックピットにして)ロボットを人に操縦させることを検討してみました。しかし、今のスケールでは操縦者をはっきり見せられないという問題があったのでこのアイデアを捨てて、代わりにやさしいロボットの顔を付けることにしました。これには全体の陽気な印象を強める効果もあります。

さらに、もう少し火室を描きこんで、この部分は開けることができて、中に燃えた石炭を入れる場所であることが良く分かるようにしました。最後に、背景のディテールを追加して、ロボットに軽く縞模様もつけました。これで完成です(図11)。

 

図11:完成イメージ

※このチュートリアルは、書籍『Digital Painting Techniques 日本語版』に収録されています (※書籍化のため一部変更あり)。

 


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編集:3dtotal.jp