2時間で描くコンセプトアート:「ホラー:ドゥーム・ヘッド」

コンセプトアーティスト Noely Ryan氏 が、敵キャラクター・モンスター制作のテクニックを紹介します


Noely Ryan
コンセプトアーティスト|アイルランド

はじめに

このチュートリアルでは、モンスターのコンセプト制作を解説します。ファーストパーソン・シューティングゲーム(FPS)に登場する敵キャラクターとして使えるものを作成していきましょう。これは、『Doom』『Quake』などのゲームシリーズに登場するモンスターやデーモンに強く影響を受けています。プレイヤーを殺してずたずたに切り裂こうとする悪意に満ちた敵キャラクターです。

解剖学的な知識は、通常ほとんどのキャラクターアートにとって不可欠です。しかし、モンスターの制作では、腕を大きなプラズマ銃で置き換えるなど、解剖学に関する自由度が高くなります。

01 モンスターの形状

キャラクター制作で行う最初のステップは、シルエットのサムネイルスケッチです。通常、それは鑑賞者の目が最初に捉える部分です(たとえ分かりにくい形をしていても)。したがって、シルエットはそのキャラクターの特徴や視認性を示す良いサインになります。 いくつかのシルエットを小さなサムネイルにスケッチすると、素早くキャラクターの形状を視覚化できるでしょう。

図01:シルエットを選ぶ際はシンプルに

02 大まかに色を塗る

選択したシルエットを新規レイヤーに配置、ページいっぱいに大きくしましょう。その上にさらに新規レイヤーを配置してクリッピングマスクを作成([Alt]キーを押しながらレイヤー間の線をクリック)。クリッピングマスクは、その下にある形状以外のペイントをすべて隠します。 ダウンロード可能なテクスチャブラシや既存ブラシ([カラー]と[散布]をオン)を選択、黒いシルエットにテクスチャを追加しましょう。ランダムにペイントし、上手くできなくても気にしないでください。ここでの主な目的は平坦な黒を取り除き、ベースカラーを加えることです。

図02:クリッピングマスクを使えば、モンスターのベースカラーを上手くペイントできます

03 基本フォーム

モンスターの肌の色を選びましょう。私は茶色と赤を選択しました。2つのレイヤーを統合し、[スポイトツール]で色を選択してモンスターのフォームにペイントします。その色で大きな腹部を作成し、胸部の下にある影をペイント。 早い段階で簡単に顔を作っておけば、キャラクターに生命が宿り、その性質を想像しやすくなります。では、素早く顔をスケッチしてみましょう。

図03:シンプルな顔を追加すると生命が宿ります

04 色を切り替えてクイックペインティング

大きなフォームに満足したら、次は筋肉のディテールを少し加えます。前景色をベースカラーの高い明度に、背景色を低い明度に設定。[X]キーで前景色と背景色を切り替え、大きな基本ストロークで腹部と腕の筋肉をペイントしてください。 次はブラシの不透明度を50~60%に設定、サイズを縮小します。再び色を切り替え、大きなストロークの間にある影と光をブレンドします。足は暗いまま残し、頭頂部に当たっている光を最も強くしましょう。

図04:筋肉のディテールを追加すると同時に、輪郭を定義します