リアルな質感、ファンタジーキャラクターに生命を吹き込む方法

テクスチャリング

リファレンスに基づいてカラーパレットを作成して、VRayColor ノード(初期段階でシェーダ設定に使用したもの)で数値を補正。これで、テクスチャを描くのがとても簡単になります。私は、肌の色合いに近いテクスチャの色調のバリエーションをさらに追加しています。

ZBrush でポリペイント(PolyPaint)を実行

ポリペイント(PolyPaint)で色調のバリエーションを追加

私はPhotoshop 用プラグイン xNormal のフィルタ(Normals2Cavity)を使用して、法線マップからキャビティマップを作成。それを光沢、鏡面反射(スペキュラ)、シングル スキャタリングマップのベースとして使いました。

テクスチャの変換。法線マップからキャビティマップを作成します

以下がスキャタリング半径用テクスチャの簡単な作成方法です

  1. モデルの法線を反転する

  2. VRayDirt マップを、VRayMtl シェーダのSelf-illumination(自己照明)スロットにリンクする

  3. テクスチャをベイクする(私は VRayCompleteMap を使用)

  4. 受けとったテクスチャを反転する(※ VRayDirt の白黒を入れ替えてもよいでしょう。その場合は最終段階でテクスチャを反転する必要はありません)

スキャタリング半径用テクスチャの作成方法

以下の図は、スキンシェーダとして使用したすべてのテクスチャを示しています。メイクアップは SSS ではなく、Overall(オーバーオール)のテクスチャに施しています。

スキンシェーダで使用したすべてのテクスチャ

スキンシェーダの設定:パート2

シェーダの設定に戻りましょう。図は最終的なスキンシェーダの構造で、VRayColor ノードがテクスチャに置き換わっています。また、頭部の皮膚のさまざまな領域には、マイクロジオメトリのシームレスなテクスチャを作成。それぞれのテクスチャに独自の量の繰り返しを入れています。別の毛穴の構造の部分はマスクでマークしています。1つのテクスチャに3つのマスクを作成。各チャンネル(R、G、B)に配置、画像では赤、緑、青で示されています(※ 実際にはファイルごとに4つのマスクを保持(R、G、B、アルファチャンネル))。これが便利な理由は、マスク間の境界線が明確になり、隙間ができるのを防げるからです。

私は、まず、3ds Max の[カラー補正 (ColorCorrection)]ノードでファイルから各マスクを抽出。次に、頭部の法線マップをマイクロジオメトリの法線マップと統合しました。この操作を、鏡面反射(スペキュラ)と光沢マップでも繰り返しました。

スキンシェーダで使用したすべてのテクスチャとネットワーク

マルチレイヤーのスキンシェーダ構造の略図

黄金のマスク

黄金のマスクには3つのシェーダ(ベース、傷ついた光沢、汚し)を使いました。また、光沢、汚しの2つのシェーダの効果を抑えるためにマスクを使用。再度、すべてのシェーダを VRayBlendMtl(Additive (shellac)モードをオン)に接続しました。

マスクシェーダ構造の略図

3層のマスクシェーダ

髪の毛

髪の毛の作成には、3ds Max 標準の[ヘアーとファー]モディファイヤを使いました。それぞれの毛束に分割して[ヘアーとファー]モディファイヤを適用しています。ピッグテール/ポニーテールは別の方法で作成。ガイド用のベースとしてメッシュを使いました。

  1. スプラインでガイドを作成
  2. これらのスプラインを交差するセクションとして円を追加
  3. ポニーテール周りでピッグテールをツイストするためのガイドとして、別のスプラインを使用。[パス変形]モディファイヤを適用
  4. すべてのエッジループを選択
  5. 選択したものから新たなスプラインを作成
  6. スプラインに[ヘアーとファー]モディファイヤを適用

髪の毛の作成プロセス

まつ毛にはベースとして仮のジオメトリを使用。3ds Max には、便利なグラファイトツールがあります。[描画区域 : サーフェス]を選択、続けて、まつ毛を描くジオメトリを選択します。次に、同じカテゴリ(フリーフォーム)でスプラインを選択すると、まつ毛のガイドが描けるようになります。最終的に[ヘアーとファー]モディファイヤを適用して完成です。同じ方法で眉毛も作成しました。

まつ毛と眉毛の作成

レンダリングと完成イメージ

これらのステップの後、レンダリングを実行。シャドウとハイライトの色合いを少し変えるなど画像調整を行い、彩度とコントラストを適度に追加して完成です! 最後まで読んでいたたきありがとうございます。

色補正と仕上げ

完成イメージ

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翻訳:STUDIO LIZZ
編集:3dtotal.jp