マットペイント:暴風雨の描き方

コンセプトアーティスト/マットぺインター Carlos Cabrera氏 が1枚の風景画の天候を変化させていきます


Carlos Cabrera
イラストレーター/コンセプトアーティスト|アルゼンチン

はじめに

最初に、天候によって色がどのように変化するかを理解するために、リファレンス画像を入手する必要があります(私はいつも Google の画像検索で探します)。リファレンス用の写真は、ペイント作業のカラーガイドとしてのみ使用することを覚えておいてください。このチュートリアルでは、ベースのイラストを嵐のシーンに変化させるために私が使用した手順をご紹介しますが、練習を積み、自分自身の技法を編み出すことが最も大切なことです。

01 アンビエントカラーの変更

最初の手順として、シーン全体のアンビエントカラーを変更します。グレー/ ブラウン(RGB:83,71, 65)を選択しましょう。この色は、私たちが目指す荒々しいアンビエントカラーを実現してくれます。新規レイヤー([ハードライト]、100%)を作成し、先ほどのアンビエントカラーで塗りつぶします。色をたった 1つ重ねただけで、がらりと様子が変わりしましたね?(図01) ただし、これは最初の一歩にすぎません! 作業を続けましょう。

図01:色をたった 1つ重ねただけで、がらりと様子が変わりしましたね?

02 雲の追加

次に、雲をいくつか追加します。この手順では、使えそうな雲の写真が手元にあれば、それを使用してもかまいません。適当な写真がない場合は、面白い雲の画像を検索したり、自分で写真を何枚か撮影してもいいでしょう。

新規レイヤー([オーバーレイ]、100%)を作成し、雲の写真をそのレイヤーに貼り付けます。または、自信がある方は、私のように自分で雲をペイントしてみてください! このレイヤーでは、茶色のアンビエントカラーを大幅に変更しないよう、先ほどのグレーのみを使用してペイントしてください(図02)。

図02:茶色のアンビエントカラーを大幅に変更しないよう、先ほどのグレーのみを使用してペイント

03 霧の追加

ここで、遠くに見える山に霧を追加するため、新規レイヤー([通常]、100%)をもう1つ作成します。このような嵐のシーンでは、霧は非常に重要です。嵐の日にしてはまだ明るすぎるので、もう少し暗くしましょう。

新規レイヤー([オーバーレイ]、100%)を作成し、グラデーションツール([描画色から透明に])を選択して、暗い色(RGB:59, 56,53)でレイヤーをペイントします。嵐の日の雰囲気になってきたと思いませんか(図03)?

図03:嵐の日の雰囲気になってきたと思いませんか?

今度は、遠くに見える霧を追加する必要があります。円いソフトブラシ([サイズ]が300、[不透明度]が50%)を選択して、地平線をペイントします(図04)。

図04:地平線をペイントします