説得力あるモンスター&クリーチャーの描き方:山のモンスター
影を面白くするには
現在の影に面白みがないのは言うまでもありません。しかし、これらを少し活気づける方法はあります。ここで、クリーチャーの右足に落ちるツノの影をペイントします。はっきりとした青の色味が追加されたことに注目してください。直射日光が遮られている脚の部分に影が形成されていますが、その領域にはまだ拡散光があります。その光の大部分は空から反射したものです。そのため、青を選択したのです。実際の生活の中で、空からの青い色味がはっきりと表れることはないでしょう。しかし、こうした誇張表現は、作品に何か特別な印象を与えることがわかるでしょう(図09)。
図09
岩をペイントする
岩に質感を追加します。このとき、主光源の位置を考えながら作業します。主光源は太陽光です。特定の岩は風化し、亀裂や裂け目がたくさんあるため、とても暗い色にする必要があります。岩の側面にある影の領域で周囲の環境や雪からのバウンス光が当たっている部分は、より明るくペイントします。これらの岩が森や小川の中にあるのなら、コケや植物を表面に加えても良いでしょう。ただし、今回は過酷な山の設定であるため、岩肌をむき出しにしておきます(図10)。
図10
トラブルシューティング
しばらくの間、何か引っかかっていたのですが、その理由がわかりました。クリーチャーの頭部が右に寄り過ぎて、そのままになっているようです。残念ながら、ArtRage 2.5 にはカット&ペースト機能はありません。別のアプリケーションに書き出すとペイントの深度情報を失うことになるでしょう。そこで、別の方法で修正する必要がありました。新規レイヤーにキャンバスを複製し、ペーパー設定のオプションでレイヤーの不透明度を0 に設定します。キャンバスの表示をオフにして、新しいレイヤーで頭部以外をすべて消します。キャンバスの表示をオンに戻して、正しい位置に頭部を配置します。それから、キャンバスのレイヤーを結合し、粗いエッジ部分を調整します。ArtRage の次期バージョンではカット& ペースト機能が搭載されることを願っています(図11)。
図11
遠方の山
細かいディテールのほとんどを Painter で描いていますが、ArtRage のオイルブラシはゴツゴツとした尖った岩の作成に最適です。つまり、遠方に見える山のほとんどは、ArtRage で 9% 程度の小さいブラシを使用してペイントできるということです(図12)。
図12
Painter でディテールをペイントする
ArtRage から PSD形式 でイメージをエクスポートし、Painter でロードします。細かいディテールには、小さく、ソフトで、粒子の粗いブラシを使用します。不透明度(Opacity)と補充量(Resaturation)を筆圧で調整し、わずかなにじみを追加します。ブラシを強く押したときは、キャンバスに色が濃くペイントされます。軽く押したときは、既存の色に滑らかにブレンドされます。高いズームで作業します。通常は100% にして、口、手、ツノに最終的なディテールを加えていきます(図13)。
図13
空のブレンド
クリーチャーから少し離れて、論理的に表現されていない空と雲をブレンドしていきます。すでに色は配置できているので、すべてのペイントは大きなブレンドブラシで行います。この作業では、ディテール用ブラシとほとんど同じ設定のブラシを使用します。ただし、補充量は0% に設定します。つまり、新しく色をペイントするのではなく、既存の色をただブレンドするということです(図14)。
図14
皮膚を滑らかにする
小さなディテールブラシとブレンドブラシの連携で、エッジや折り目を強調しながら、クリーチャーの皮膚を滑らかにします。また、ディテールブラシで胴体の中央部に向けてさらに不規則なシワをペイントし、毛皮に厚みのある外皮のような印象を加えます(図15)。
図15
泥のはね
雪の下には泥の層があるので、クリーチャーの足や尻尾に泥をはねます。これでクリーチャーがただ貼り付けられているのではなく、環境の一部であるような印象を与えることができます(図16)。
図16
雪の表面をブレンドする
雪の原野では主にブレンドブラシを使用し、場合によっては小さなディテールブラシで軽くペイントします。灰色の崖の影になっている遠くの雪は、下からわずかに照らされているので、上方に投影されている影は柔らかくなっています。これは、下の雪の斜面に反射する太陽光を考慮したからです。雪からの反射光は、雲や空からの反射光よりもわずかに強いはずです(図17)。
図17
最終調整
最後に必要なことは、仕上げでエッジを綺麗にし、見落とした領域がないか確認することです。色調補正は必要ありません。これがはじめに ArtRage を使用する1つの利点です。ArtRage のキャンバス上で色を混ぜると、多くの場合、高い彩度の色相になります。これは鮮やかな外観を保ち、色の濁りをおさえます(図18)。
図18
サインを追加すれば完了です!最後まで私のチュートリアルを読んでくれてありがとうございました。この内容が役に立つことを願っています。
最終イメージ
※このチュートリアルは、書籍『Digital Painting Techniques 3 日本語版』に収録されています (※書籍化のため一部変更あり)。
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