サイバーパンク CG作品『Automaton』のメイキング

日本の サイバーパンク CG作家 中村 一彦 氏 の作品『Automaton -オートマトン』のメイキングを紹介します(Shade使用/ 2009年)


中村 一彦 / KAZUHIKO NAKAMURA
サイバーパンク CG作家


01. コンセプト

『Automaton -オートマトン』のアイデアは、アナトミー(人体解剖)モデル、衝突テストのダミー、機械人形のユニークな体のイメージから生まれました。私は、これらの身体の可変構造やアンティークメカニズムに深い関心があり、このような多様性の楽しみを 自分でデザインしたキャラクターに加えたいと思いました。静と動の超現実的なイメージを象徴的に表現するため、鏡像のように対称的な構図で、変形前と後の顔を作成しています。

コンセプトイメージ

02. モデリング

モデリングには Shade を使用。ほとんどのモデルの形状はスプライン曲線で作成、Shade の Callist でレンダリングしました。まず、頭蓋骨・目・鼻・機械部品などの各パーツを作り、バランスよく組み立てていきます。特に、回転関節を眼瞼・鼻・頭部フレーム・顎に組み込み、キャラクターの顔面を 後から自由に変形できるようにしました。

頭蓋骨

構造

03. テクスチャマッピング

キャラクターの肌に、アンティークな機械や武器などのテクスチャを加え、アンティークショップの片隅にある工作機械や古びたマネキンのような雰囲気を追求しました。マッピング用のマテリアルには「Total Textures(v1、v2、v5)」から テクスチャ画像を選択して使用。それらは内容が素晴らしく、どの画像を使用するのか迷いました。複数のテクスチャ画像を組み合わせ、色や濃度を調整して、イメージどおりのテクスチャを作成できました。

顔のテクスチャ、ベースカラー、真鍮のテクスチャ

モンスター頭部のテクスチャ

04. 完成イメージ

完成イメージ

▼ お知らせ:中村一彦さん の作品が表紙に。書籍『スチームパンク・ストーリー レトロフューチャーを創造するアーティスト25人』、グラフィック社より発売中

 


翻訳:STUDIO LIZZ (TK)
編集:3dtotal.jp