【インタビュー】新しい世界を創造することが目標:コンセプトアーティスト Onur Can Cayli 氏
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』や『ゲーム・オブ・スローンズ』などの 大型プロジェクトに携わってきた コンセプトアーティスト Onur Can Cayli 氏 が語ります

コンセプトアーティスト Onur Can Cayli 氏 は Dreamworks Animation や Lola VFX などのスタジオ で『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』から『ゲーム・オブ・スローンズ』まで、数々の大型プロジェクトに携わってきました。彼の制作プロセスと目標について 紐解いていきます。
Q. 自己紹介をお願いします
こんにちは、Onur Can Cayli です。3Dコンセプトアーティスト/アートディレクターとして業界で働いています。プロとしてのキャリアは Sony Pictures から始まり、ビジュアルエフェクトとコンピュータゲームの分野で、世界中のアーティストと働く機会を得ました。これまでに在籍したスタジオには、Dreamworks Animation、Massive Black、Lola VFX、Gradient FX、SEGA などです。これらのスタジオで、ハリウッドのヒット作品のキャラクター、クリーチャー、デザイン要素の制作を担当しました。代表的なプロジェクトには以下のとおりです:
映画:『アメイジング・スパイダーマン』『ターミネーター:新起動/ジェニシス』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』『アントマン』『メン・イン・ブラック3』など
ゲーム:『Marvel vs Capcom』『ソニック』など
TVドラマ:『ゲーム・オブ・スローンズ』(キャラクターとクリーチャーの3Dアート制作)
現在は、トルコのウルラという小さな町に移り住み、以前働いていたスタジオの仕事をフリーランスとして請けながら、家族との時間を増やし、個人制作にも取り組んでいます。
「The Lost City」
Q. 制作ワークフローを教えてください。アイデアはどこから得ましたか?
数年前から「Steambul」(スチームパンク+イスタンブール)という個人プロジェクトのアイデアを温めており、多くのコンセプトデザインを作成してきました。このアイデアは、トルコの文化的背景 と スチームパンク要素 を組み合わせたものです。私は通常、具体的なストーリーを書いてから ビジュアルの方向性を決めます。なぜなら、特定のムードや特徴がないと、簡単に方向性を見失ってしまうからです。
まず、CG作業を始める前に 鉛筆でスケッチを描きます。3Dでは、スケッチ段階で予測できない多くの問題が伴うため、シンプルなメッシュをブロックアウトし、さまざまな照明条件でシンプルなレンダリングを作成します。次に、異なるマテリアルを使った高解像度レンダリングを行い、Photoshop で合成します。テクスチャを追加し、多くの写真素材を使用してリアリズムを高めながら、最終イメージを完成させます。
作業前のスケッチ
「Steambul」
Q. 制作で苦労したことはありましたか? 新しい学びはありましたか?
マットペインティング は 初めての挑戦で、新しい試みでした。多くのチュートリアル動画を視聴し、コンセプトに適した高解像度画像を見つけることに苦労しました。マットペインティングの品質は、集めた素材ライブラリの質に大きく左右されると思います。
正しいパースと明度を持つ画像を見つけるのに、時間がかかりました。3Dレンダリングとリアルな写真を組み合わせることも、このプロセスで習得しなければならなかった新しいスキルです。また、大気の効果や、都市の正しいスケール感を表現することも難しかったです。


「Army of Steam」
Q. 仕事や個人プロジェクトで使用しているソフトはありますか?
主に Maya と ZBrush を使用しています。近年はデジタルスカルプティングにより集中しているため、ZBrush がメインソフトになっています。テクスチャリングには、Mari と Substance 3D Painter を使用しますが、仕上げは必ず Photoshop で行います。
「Rider Sculpture」
Q. ポートフォリオをアップデートする秘訣・ヒントがあれば おしえてください
新しく学ぶべき技術がたくさんあるので、できるだけ多くのチュートリアル動画を視聴するよう心がけています。ただ、仕事が詰まっているため、ポートフォリオを常に最新の状態に保てているとは言えません。空き時間があるときに、新しい作品をアップロードするよう努めています。
Instagram も利用しており、ユーザーネームは Onurcayliart です。お気に入りのハッシュタグは、#conceptdesign と #digitalart です。
「steampunk_Gauntlet」
Q. 芸術的な目標はありますか?
歴史と古代文化を研究し、それらをベースに新しい世界を創造することが目標です。個人的な経験を込めた独自のストーリーでアートを創造し、世界中の人々と共有することには、非常に満足感があります。
また、少しリラックスするために 石や木を彫っています。これは、自然素材から学んだことを自分のアートに反映させるのに役立っています。作品を完成させて、その前に座って制作プロセスを振り返り、アーティストであることの幸運を噛みしめます。
私を前に進めてくれるのは、創作への情熱です。時を忘れて夜遅くまで没頭できる、そんな瞬間に、この上ない幸せを感じます。
「Demon Hunter」
「Mayinhara」
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