【インタビュー】プロジェクトからできる限り多くのことを学ぶ:キャラクターアーティスト Mehmet Mert Ergüden 氏
トルコの Mehmet Mert Ergüden 氏 は、Goodbye Kansas、Riot Games を経て、現在フリーランスとして働いています
Q. 自己紹介をお願いします
こんにちは! 私は Mert Mert Ergüden、独学のキャラクターアーティストです。ストックホルムの Goodbye Kansas でフェイシャルモデラー、Riot Games での シニア キャラクターアーティストを経て、フリーランスとして働いています。キャラクター制作をしていないときは、ワークフローを改善する新しい方法を研究したり、ビデオゲームをプレイしたり、ドラムを叩いています。
Q. 制作ワークフローをおしえてください。アイデアはどこから得ましたか?
実在の人物を再現する作品に興味があったので、サシャ・バロン・コーエン 演じる アリ・G を題材に選びました。これまで、彼から受けた笑いへの感謝の気持ちを込めて制作しています。ワークフローはとてもシンプルで、Maya、Marvelous Designer、ZBrush、Mari、XGen、Photoshop、V-Ray で制作しています。
「アリ・G」© Mehmet Mert Ergüden
Q. 制作で苦労したことはありますか? 新しい学びはありましたか?
制作プロセスで最も大変だったのは、人物の特徴を正確に再現することでした。そっくりに見えるようにスカルプトしていると、ある時点で「それらしく見えなくなること」に気づきました。そういうときは、無理に続けても良い結果は出ません。ときには頭をリフレッシュする時間を取ることも大切です。
「アリ・G」© Mehmet Mert Ergüden
Q. 仕事や個人プロジェクトで他に使用しているソフトウェアはありますか?
プロジェクトによっては UDIM に使用に応じて、Substance 3D Painter でテクスチャリングを行うことがあります。また、Mudbox のカメラは、リファレンス写真とモデルの位置合わせに役立つので、Mudbox のスカルプトにも挑戦してみたいですね。
「Charlize Theron (シャーリーズ)」© Mehmet Mert Ergüden
Q. ポートフォリオをアップデートする秘訣・ヒントがあればおしえてください。何かヒントはありますか?
個人プロジェクトでもプロとしての仕事でも、できる限り生産的になるように最善を尽くし、ポートフォリオを最新の状態に保っています。アドバイスとしては、単に作品を投稿するだけでなく、プロジェクトからできる限り多くのことを学ぶように心がけることです。
「Heimerdinger (ハイマーディンガー)」(Riot Games 在籍中に制作。レンダリング:Unreal Engine 4)
「Xayah (ザヤ)」(Riot Games 在籍中に制作。レンダリング:Unreal Engine 4)
Q. SNS を使っていますか? お気に入りのハッシュタグをチェックしていますか?
私は Facebook の「Ten Thousand Hours Group」のメンバーです。ここで素晴らしいアーティストの作品からインスピレーションをもらったり、キャラクター制作に関する新しいチュートリアルや手法を入手したりできるので、よくチェックしています。
「Charlize Theron (シャーリーズ)」© Mehmet Mert Ergüden
Q. 芸術的な目標はありますか?
アーティストとしてさらに成長し、より優れた解剖学的知識、動きの表現、そしてハイパーリアリズムを取り入れたアートスタイルを確立していきたいと考えています。お気に入りのアーティストは、Scott Eaton、Ian Spriggs、Alessandro Baldasseroni、Mathieu Aerni、Marco Di Lucca、Brian Booth Craig、Phil Nguyen、Jonas Skoog、そして親友の Arda Koyuncu です。彼らの作品は素晴らしいので、ぜひチェックしてみてください。
「Pennywise the Dancing Clown (ペニーワイズ)」© Mehmet Mert Ergüden
Q. 近年の作品についてお聞かせください
新しい実在の人物の再現プロジェクトにも取り組みたいのですが、個人プロジェクトに時間を割くのが難しく、完成までにかなりの時間がかかってしまいます。そのため、より短時間で完成できる小規模なプロジェクトに取り組むことでしょう。
「Katarina (カタリナ)」(Riot Games 在籍中に制作。レンダリング:Unreal Engine 4)
「Illaoi (イラオイ)」(Riot Games 在籍中に制作。レンダリング:Unreal Engine 4)
編集部からのヒント:人型キャラクター制作のリファレンスには『アーティストのための人体解剖学ビジュアルリファレンス』を、制作テクニックを習得するには、書籍『3Dアーティストのための人体解剖学』 やおすすめします。