【特別寄稿】造形家 / 映画監督 片桐裕司の いろいろあっていいんじゃない?|エピソード77:衝撃の変身シーン!! -『狼男アメリカン』
ハリウッドで彫刻家、キャラクターデザイナー、映画監督として活動。日本で開催する彫刻セミナーは毎回満席の片桐裕司さんのエッセーです。肩の力を抜き、楽しんでお読みください!
エピソード77:衝撃の変身シーン!! -『狼男アメリカン』
1981年公開の『狼男アメリカン』(原題:An American Werewolf in London)、この映画が、いかに自分たちの進路に影響を及ぼしたか!!
映画『狼男アメリカン』(原題:An American Werewolf in London、1981年)
とにかく、明るい部屋で、男が狼男に変身するシーンが衝撃で、それまで、こんな風に人間がカメラの前で変形するのなんか見たことなかったし、どうやってやったのかと考える以前に、衝撃が凄すぎて、ちびってしまったのではないかと思うくらいに、ちびってしまったのである! 結局、ちびったのか...?
何はともあれ、仕事場で、同世代の仲間と「この映画が、いかに自分たちの将来を決定付けたか!」という話をしていました。私が見たのは、たしか 小6の頃だったかと思います。テレビで放映されたのをビデオに録画して 何度も何度も見ていました。知らない人は、この衝撃の変身シーンをごらんください。
この映画で、特殊メイクのパイオニアの1人、Richard A. Baker(リック・ベイカー)が、新設されたばかりのアカデミー賞メイクアップ部門を受賞、オスカーを獲ったのです。
その頃は、観客の1人として興奮して映画を見ていましたが、まさか将来、自分がこんな仕事をしているなんて 想像もつかないことでした。仲間のアメリカ人も同世代で、私と同じようなことを感じていたようでした。私が「まだ DVDを買っていない」と言うと、彼は「そういうバカ者のために買いだめしてたんだ」と次の日に『狼男アメリカン』のDVDをプレゼントしてくれたのでした! 「やった! もうけ!!」というより、すごいマニアである。
そして、実に、なんと20年ぶりくらいに この映画を見たのだけども(※もう10年以上の前のお話)、「あの頃のワクワク感」というか「興奮」がよみがえってきて、終始ニコニコしながら見てしまい、人が見たら、さぞ不気味な光景であったと思う。今見ても、面白く、本当によくできた映画であった。
しかし、最近の この業界を目指す若者と話をして「多大な影響を受けた映画は何だ?」って聞くと「ハリー・ポッター」と言う答えが返ってくる。がびーん!(死語)
がびーん!(死語)
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