2時間で描くコンセプトアート:「ファンタジー:ドーム」

05 建築物の形状を洗練する

建築物がスケールの妨げにならないようにします。左の建築物の集合が後景を邪魔して、シーンを平坦にしています。円形劇場の外円の一部にも見えますが、求めているものではないので取り除き、代わりにドームが崩壊する前に建築物を支えていた3つの柱の構造を配置しました。

図07 には砂漠を反映した暖色の茶色があります。また、地面で反射する光の筋が雰囲気を作り、中景の右にある構造物へ続いています。

図07:奥行きを加え、イメージのスケールをチェックします

06 建築物のリアリズムを求めて

中央のドーム跡の鋭い先端が、重力とスケールに矛盾しているように見えるので、もう少し大きく立体的なものに作り替えていきます。これにより、シーンにリアルな重量感が生まれ、過去にこの建築物に掛かっていた大きな力を表現できるでしょう(図08)。

図08:過去に実際に建っていたかのように、壊れたドームをリアルに構築しましょう

ドームは非常に複雑で、完成させるのが難しい建築物です。実際に長い歴史上で、数々のドームが崩壊してきました。完成形と言えるのは「パルテノン神殿」「サン・ピエトロ大聖堂」などわずかです。

前景の船にマストを追加して、フレームのエッジを浮かび上がらせましょう。崩れたドームを利用すれば、鑑賞者の視線を重要な要素に引きつけることができます。図09 は、この構図の視線誘導を表しています。

図09:赤い矢印は、鑑賞者の視線の進み方を表しています

07 シーンに人間を追加してスケールを表現

ここで中景の建築物の下に小さな人間を追加しましょう。2名のキャラクターで、周囲の壮大なスケールを表現できます。私は議論しているキャラクターを配置しました。彼らは周辺の建築物に興味がないように見えます。悲しいことに、我々人間は身の周りにある偉大なものを十分に堪能できないことがよくあるのです..

ドーム構造に沿ってディテールをさらに追加し、面白いパーツを組み込んで焦点にしましょう。それ以外の部分は影の一部になります。

図10:2人の小さな人間を右下に追加して、スケール感を表現します

08 仕上げ

最後に仕上げを施して、イメージをより興味深いものにしましょう。中景左の建築物に当たっている光は、後景と少し似ています。作品の雰囲気をさらに高めるには、この光にもう少しフィルターに掛けて、暗い赤の色調にすると良さそうです。地面にも同じプロセスを適用し、赤レンガが長い歳月の末、塵に変わった感じを表現してください。

 

最終イメージ

※本チュートリアルは、書籍『スピードペインティングの極意』からの抜粋です

 


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翻訳:STUDIO LIZZ
編集:3dtotal.jp