リアルな唇を描く – 口元の描き方のヒント
06 キューピッド・ボウ(天使の弓)
黄色で示しているのは、唇の最も硬い部分である下の隆起と「キューピッド・ボウ」と呼ばれる上の隆起です(「弓」のような形をしていることから名付けられました)。これは、上から顔を照らしたときにハイライトが見えるポイントの1つです。同様に下から顔を照らしたときは、下の隆起が見えます。
唇の上部と下部を決めます
07 人中
ここで「人中」を描きましょう。これは、唇と鼻の間をつなぐ小さな凹みのことで、最初に描いた三角形に沿って 鼻に向かって伸びています。つまり、これは鼻の下でつながるのではなく、それぞれの鼻孔の中に向かっています。三角形の先端が鼻の根元ではなく、鼻の上で終わっているのはそのためです。
最初の三角形に沿って人中を描きます
08 唇のシワ
赤唇部の上を通る唇のシワの向きを示すため、赤い円の上に線を描きましょう。図を見ると、外側の稜線(青)と違い、この線は中心点に向いているのがわかります。少し奇妙に思えるかもしれませんが、実際に唇のシワを描いてみると納得できるでしょう。
唇のボリュームにシワを描きます
09 口角の凹み
今回、顔のシワについて触れませんが、下図の赤で強調した笑顔の凹みは口元の重要パーツなので見ていきましょう。これは、口角のすぐそばに現れるもので、頬の下の笑いジワとは異なります。この2つはよく混同されており、アーティストが間違って頬のしわを口角まで伸ばしているのをよく見かけますが、これらは別々のものです。一般的に、口角の凹みは年齢に関係なく、笑うとできますが、笑いジワは年を取るにつれて現れる傾向があります。
口角の凹みを描きます
10 唇のテクスチャ
テクスチャをペイントするときに意識してほしいのは、唇が滑らかでなく、たくさんのシワがあるということです。よって、唇にスペキュラハイライトやグロスを加える際に、この点を考慮してください。唇のシワや線は、ハイライトが途切れたように見える原因になるため、1つのしっかりとしたハイライトを作るよりも、唇全体にハイライトをばらばらに描く方が理にかなっています。
下図を見ると、先ほど描いた曲線に沿って、唇のテクスチャを表現しているのがわかります。このカーブに沿って描くと、丸みを帯びた美しい形になり、説得力のある豊かな唇になります。反対に唇を平らにするときは、カーブを緩やかにするとよいでしょう。
シワに沿ってハイライトをバラバラに描きます
最終イメージ
下図が、唇をペイントした最終イメージです。
最終イメージ
>> 顔の描き方について知りたい方は「若い顔を老いた顔へ - 顔の描き方のヒント」もご覧ください。