背景をつくり、レンダリング&合成。SF宇宙船のメイキング:レンダリング編

06. 埃のパーティクル

埃(ダスト)のパーティクル画像を求め インターネットを検索。そのいくつかをテストしました。そして、細かいパーティクルのものを最終的に選びました。埃といえども、要素のプロポーションには 常に一貫性が必要です。格納庫内は広い空間なので、細かい埃のパーティクルが その感覚を演出してくれるでしょう。60%の[覆い焼きカラー]描画モードで使用しました。

[覆い焼きカラー]描画モードで、さりげない埃(ダスト)の
パーティクルエフェクトを追加します

07. 煙

煙には textures.com の画像を使用しました。Photoshop の[色域指定]で煙の白い領域(青い背景を除いた部分)を選択して数回複製し、イメージ全体に配置しましょう。明らかな反復を避けるために必ず回転/反転させ、その一部をマスクして煙のさまざまな領域を表示(または非表示に)します。

通常、不透明度を低くして[ピンライト]描画モードで適用します(目指している結果によります)。私は煙のマスクとして使用するため、前もって Marmoset Toolbag で透明な背景のイメージをレンダリングし、前景の要素(宇宙船・配管・ケーブルなど)以外はすべてオフにしました。

このイメージを利用して 煙のフォルダにマスクを作成し、各要素が煙の前に来るようにします。このように 好みに応じて マスク領域をブラシで消して、煙を前後に動かすことができます。

煙や雲の画像を利用して、煙を加えます。[色域指定]の選択範囲を使用すると
白い煙を背景から分離できます

08. レンズフレア効果

私はいつもレンズフレア効果をイメージの最もよく光る領域に加え、きれいなSF風ルックにします。

加え過ぎると反復的に見えるので注意してください。最終ディテールとして配置する領域をいくつか選択しましょう(通常は1~2ヵ所で十分)。今回は psdbox からレンズフレア画像を選択し、[スクリーン]描画モードで適用します。1つめはメインキャビンに適用して焦点を強調し、2つめは背景の屋根のライトの1つに適用します。別のディテールとして、シンプルなブラシで小さな点のライトも表しています。これも 2~3個で十分です 。

レンズフレア効果を加えると 優れたディテールになりますが やり過ぎないように!

09. 壁にテクスチャを追加する

左側の壁があまりにも平坦に見えるので、見映え良くするためにテクスチャを加えましょう。ここでは「Total Textures v7 : Sci-Fi」の画像を使用しています。まず[レイヤースタイル]ウィンドウの描画オプションの矢印を調整します。こうすると最も明るい領域の一部を削除できます(※パート2「テクスチャリング編」参照)。この画像を[オーバーレイ]描画モードで適用して、次に 複製したものを50%の[乗算]モードで適用します。さらに、壁の領域にマスクをペイントし、下部に小さなデカールを追加します。

左側の壁にテクスチャを追加します。[レイヤースタイル]の描画オプションを調整して、
最も暗い領域はそのままにします

10. [トーンカーブ]と[レベル補正]で調整する

ポストプロダクションの仕上げでは、さらなるコントラストと演出を加えます。これには[トーンカーブ][レベル補正][カラーバランス]を調整します。

すべての調整を終えたら、統合したイメージのコピーを作成して、[シャープ]フィルター(約30~40%)でよりくっきりさせます。これでイメージは完成です!

仕上げに[トーンカーブ][レベル補正][カラーバランス]を調整して
コントラストと演出を加えます

プロのヒント:[シャープ]フィルターと[指先ツール]

合成の最後に[シャープ]フィルターを適用すると より鮮明になります。100%で使用するとシャープになり過ぎるのでやめましょう(※私の場合、大抵30~40%で使用します)。[シャープ]フィルターを適用すると、不要なギザギザの線を含む高コントラストの領域が生じるかもしれません。これは簡単に修正できます。非常に小さいサイズの[指先ツール]を 一方向に適用して、ギザギザのエッジや問題となる部分を滑らかにします。

[シャープ]フィルターによって生じたギザギザの線を[指先ツール]で滑らかにします

最終イメージ


翻訳:STUDIO LIZZ (Atsu)
編集:3dtotal.jp