ZBrush使用、キャラクターのベースモデルの作成

06. 胴体を完成させる

今までと同じテクニックで、胸郭と骨盤をつなぐ大きな塊を挿入しましょう。[InsertSphere]ブラシで新しいジオメトリを追加、[Move]ブラシで適切な形状にします。ジオメトリを配置すると、他のサブツールが再び安全にマスクされます。こうして、作成した他のパーツを乱すことなく移動・スカルプトできます。図06a~dのように、小さめの球から始め、胸郭と骨盤間のスペースが埋まるように、引き伸ばしてください。中間の塊は、腹筋と背筋を含みます。

したがって、この部分を正しく作ることが、胴体をデザインする上で大事なステップとなります。図では骨盤を再選択し、やや上に移動させて、力強いフォームにしています(※手順はプロのヒントを参照)。

06a:これまでと同じプロセスで、胴体の中間部を挿入・成形します(前面)

06b:胸郭と骨盤を繋いでいる中間部の流れに注目してください(スリークォータービュー(正面斜め前))

06c:側面から見て、有機的で魅力的な流れになっているか確認します(側面)

06d:背面から見ると、骨盤を上に移動させているのがよく分かります(背面)

07. 大腿

[hPolish]ブラシで目印をつけた骨盤の両側に大腿(太もも)を配置します。キャラクターのサイズを明確に掴むには、ボリュームのある大腿・下腿を追加するのが近道です。これまでと同様に、[Insert Sphere]ブラシで追加、[Transpose]ツールで位置調整、[Move]ブラシで成形します。今回は[X]キーでシンメトリをオン、2つの球を同時に配置しましょう(図07aのA)。

[移動]モードのトランスポーズラインで、末端にある赤い内円をドラッグして、2つの球を楕円に引き伸ばします(B)。位置は中央の白い内円で調整します。[Move]ブラシで、大腿らしく見えるように形状を加えますが、細かい構造は作りません(C)。この段階は、主要なボリューム感を出すことに集中しましょう。

07a:シンメトリをオンにして、左右対称の大腿を作成します(前面)

07b:大腿を配置・スカルプトする過程(正面斜め前)。最後の微妙に調整された形状に注目します(スリークォータービュー(正面斜め前))

07c:大腿を配置・スカルプトする過程(側面)

07d:大腿を配置・スカルプトする過程(背面)

08. 下腿

ディテールの多い解剖図のリファレンスをいちいち見るのは面倒ですが、どのような複雑な形状もシンプルに分解できます。図08a~dのように下腿を大まかに配置するため、[移動]モードの[Transpose]ツールで大腿を複製(ラインの内円のいずれかを[Ctrl]+ドラッグ)、そして中央の白い内円で適切な位置に移動させます。最後に[Move]ブラシで脚を成形します。

08a:大腿を[Transpose]ツールで複製し、下腿の大まかな形状を素早く作成(前面)

08b:[Move]ブラシで、下腿の形状をスカルプトします(スリークォータービュー(正面斜め前))

08c:複製した下腿は、大腿と同じポリグループになります(側面)

08d:脚の背面。ふくらはぎの形状が微かにスカルプトされている点に注目します(背面)

09. 肩

基本的に、肩は三角筋で形作られます。この筋肉はハート型、もしくは三角形に近い形状です。幅の広い側は上を向き(首の方)、狭い側は下を向きます(腕の方)。この部位によって、腕と胴体が結合されます。

大腿と同じように、[X]キーでシンメトリをオンにして、[Insert Sphere]ブラシで球を追加。[Transpose]ツールと[Move]ブラシで三角筋の位置に調整し、スカルプトしましょう。

09a:球を2つ追加し、[Move]ブラシで肩のフォームを作ります

09b:肩を配置・スカルプトする過程(正面斜め前)

09c:単純化された三角筋のしずく型がよくわかります(側面)

09d:肩を配置・スカルプトする過程(背面)

10. 上腕

上腕も大腿と同じプロセスで作りましょう。シンメトリをオン、[Insert Sphere]ブラシで上腕の原形を胴体に追加します。[Transpose]ツールの移動・回転で、円柱に近い形状になるように引き伸ばし、前ステップで作った三角筋の下に配置しましょう。上腕は前腕に向かって先細になり、上腕三頭筋と上腕二頭筋のボリュームがあります。ただし、ここでも大まかな形状にとどめてください。人体構造・正しいボリューム・面の区分については、後ほど解説します。

10a:三角筋の下に球を配置し、トランスポーズラインで引き伸ばして上腕のベースを作ります(前面)

10b:上腕を配置・スカルプトする過程(正面斜め前)。三角筋と上腕がしっかりフィットしているのがよく分かります(スリークォータービュー(正面斜め前))

10c:[Transpose]ツールの[回転]モードで、引き伸ばした円柱が適切な配置になるように修正します(側面)

10d:上腕を配置・スカルプトする過程(背面)。ここでも三角筋と上腕がフィットしているのがわかります(背面)