ゲームキャラクターをつくる – テクスチャリング編:11 顔のテクスチャリング
ステップ3:顔のテクスチャリング
Photoshop へ移動。前のパート 10 アーマーのテクスチャリング で行なったようにアンビエントオクルージョン(AO / Ambient Occlusion)マップを用いて「Base Colors」と「Bakes」グループを設定します。「Base Colors」グループの上に「Skin」という新規グループを作成、レイヤーマスクで肌の領域をすべてマスクしましょう。
まず、頬・鼻・唇の辺りに高彩度の赤のトーンを、顎の線の辺りと目の下に青のトーンを、そして、額・頬・口の上に黄のトーンを追加。各トーンがあまり目立たないように、レイヤーの[不透明度]を調整します。
毛穴タイプのブラシで肌の色を分散させながらペイントしていき、さらに変化をつけて、シミを加えましょう。質感を出すため、新規レイヤーを作成して グレーで塗りつぶし、グレースケールのノイズフィルターを追加([フィルター]>[ノイズ]>[ノイズを加える])。続けて、ソフトなぼかしを追加します([フィルター]>[ぼかし]>[ぼかし(ガウス)])。このレイヤーの描画モードを[オーバーレイ]に、[不透明度]を低く設定します。また、小さなハード円ブラシで眉毛をペイントして、目のメイクを加えます。
プロのヒント:AOに軽く着色
肌のテクスチャリングの際、アンビエントオクルージョン(AO)の色を調整すると肌がより自然な感じになります。私の好みは[グラデーションマップ]ですが、[色相・彩度]でも良いでしょう。[グラデーションマップ]調整レイヤーを作成して、AOマップにクリップ。続けて[グラデーションマップ]にマスクを設定、AOマップの肌の領域にのみ適用します。最後に、AO の暗い部分が より濃い茶色/赤のトーンになるように[グラデーションマップ]を調整します。
ステップ4:目を作成する
目のジオメトリの上に、AOの模倣を行うアルファの小さなストリップを追加しました。目のテクスチャの外側(※まぶたとの境界)には AOは適用されていますが、この小さなアルファのストリップにより、目が眼窩にしっかり収まります。
虹彩を作る際は、ベースにテクスチャリファレンスを使い、その上に全体のトーンを大まかに塗っていきます。小さなブラシで、瞳孔から放射状に広がるさまざまなストロークを描きましょう。奥行きを出すため、色の変化のある小さな斑点を加え、虹彩の上半分は少し暗めに、下半分は少し明るめにします。
強膜(白目)の色には、くすんだオフホワイトを使います。明るい白は 目を不自然に見せることがあるので避けましょう。赤みを帯びた細い静脈も加えますが、描き過ぎないように注意してください!
ステップ5:髪のテクスチャリング
Marmoset Toolbag では、[Diffuse]マップの[Alpha]チャンネルを使って透明度をコントロールします。髪のアルファを作成するには「Alpha」という新規グループを作成し、白いハードエッジブラシで髪の毛束をペイントしていきます。毛束をペイントしたら、アルファチャンネルにコピーして表示をテストします。
髪のディフューズ(拡散反射)テクスチャをペイントするには、色を塗るか、ベースとしてリファレンス写真を使用します。ベーストーンの濃淡を交互に使いながら、大きめの毛束をペイントしましょう。
細めの毛束を加えます。髪の毛に光と陰影をさらに加えることにしました。これを行うには 1番上に新規レイヤーを作成、描画モードを[ソフトライト]に設定します。大きめのソフトブラシ(白黒)でペイントして、ハイライトや影を加えます。髪が完成したら nDo2(または同様の機能のソフト)へ移動。ディフューズテクスチャで 髪の法線マップを作成します。
ステップ6:スペキュラマップと光沢マップ
スペキュラマップと光沢(Gloss)マップの制作プロセスは、前のパート 10 アーマーのテクスチャリング と同じです。肌に青い色味を加えたいので、色情報を反転させるか、[色相・彩度]調整レイヤーを使用します。続けて[レベル補正]調整レイヤーで、肌のディテールのコントラストを高めます。作成した両マップで、唇・まぶた・鼻先の明るさを上げましょう。
これで テクスチャリング編は終了です。次回は最終回、プレゼン編です。
▼プレゼン編:12 モデルのプレゼンテーション につづく
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最終/完成イメージ
編集部からのヒント
CGキャラクターの制作テクニックを学習するリファレンスには、書籍『3Dアーティストのための人体解剖学』 や 『MAYA キャラクタークリエーション』をお勧めします。