コンセプトアーティストになるためのポートフォリオの作り方 05:レジュメ・カバーレターの作り方


大曽根 純(INEI inc.)
コンセプトアーティスト


第5回: レジュメ・カバーレターの作り方

こんにちは。未来世界遺産展 などで執筆が遅くなりました。今回は、レジュメとカバーレターについて書きたいと思います。

1. レジュメとカバーレターとは

そもそも「レジュメ」「カバーレター」って何? というところですが、簡単に言うと、「レジュメ (Resume)」は 英文の履歴書のようなものです。「カバーレター (Cover Letter)」は 履歴書に添付する書類のことで、志望動機や自己PRなど、職歴以外のアピールポイントを記載します。

もし、海外の会社でクリエイターとして就職を希望する場合、これらの書類をポートフォリオと一緒に送付するのが一般的です。

レジュメ (Resume)

・自分の名前と連絡先
・顔写真
・職歴・学歴
・経験
・スキル
・アピール文

カバーレター (Cover Letter)

・自分の名前と連絡先
・提出先の採用担当の名前と連絡先
・応募したい求人
・サイン

サンプル:レジュメ(左)と カバーレター(右)

2. とにかく、シンプルに見やすく

検索すれば、レジュメとカバーレターの文章の書き方について たくさん情報が出てくるので、文章については、それらを参考にするといいと思います。ですので、今回は、せっかく書いた文章を「スッキリ見やすいものにする」ために僕が気をつけたことを紹介します

① 手書きはしない

手書き文字 は「頑張って書いた感」を出すのと引き換えに「見る人の時間を奪う」ことだと思っています。相手のことを考えると、やっぱり、テキストで打ち込んだほうが読みやすいと思います。INEI にも、コンビニで売っている履歴書に手書きでびっしり書かれたものが届くことがありますが、やはり、読むのに時間がかかってしまいますね。

② 関係のない履歴は書かず、文字数を絞り込む

自己アピール文を書くとき、どうしても長々と書いてしまいがちですが、そこはあえて、簡潔にまとめるように気をつけましょう。僕の場合は、書きたいことを箇条書きにしてから、伝えたいことの優先順位を決め、そこから書くようにしました。そうすることで、書きたいことが明確になるので、少ない文字数でも しっかりと伝えられるのではないでしょうか。

関係のない履歴というのは、希望する職種(ここだったらコンセプトアーティスト)と関係のない経歴のことです。例えば「前職は 牛丼チェーン店のマネージャーでした」とかいう情報はなくて大丈夫です。クリエイターとしての履歴が無かったら、そのまま正直に「ない」と書いたほうがいいと思います。

③ スッキリしたデザイン

できれば、デザインはコンビニに売ってあるような事務的な履歴書ではなく、もっとシンプルで洗練させていたほうが好感度は高いでしょう。今は簡単に Google docs や Apple の Pages などでシンプルで美しい文書が作れてしまいますから、そのような無料サービスを活用するといいかもしれません。

ちなみに僕は、レジュメ用の有料テンプレートを購入して、それを編集して作りました。"レジュメ テンプレート" などと検索して、良い感じのテンプレートが見つかれば、それを基に作ると良いかもしれません(※上の画像を参照。内容は変えてあります)。

スキルなどを、あえて、ゲームのHPみたいなゲージのデザインにすることで見やすさを配慮しました。というのも、どうしても文章は読むのに時間がかかってしまうため、できるだけテキスト情報を絞り込んで、パッと見で分かったほうが良いと思ったからです。そのために、情報をグラフィカルにまとめることは効果的だと思います。

3. まとめ

以上が 僕がレジュメとカバーレターを作成したときに気をつけたことです。自己PRは難しく、しかも、それを分かりやすくまとめて作るのは なかなか大変ですよね。そういう時は「何を伝えたいか」を考えて、できるだけシンプルに伝えるようにすると良いでしょう。そのためには「何を載せたほうが良いのか、省いたほうが良いのか」をよく考えたほうが良いと思います。

重ねてになりますが、こちらの情報は、個人が就職の資料を作るときに気がついたことを元にまとめました。もちろん、ケースバイケースで最適な資料は異なってきます。参考程度に読んでいただければ嬉しいです。

掲載作品:INEI Inc. / 文:大曽根 純

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