【特別寄稿】造形家 / 映画監督 片桐裕司の いろいろあっていいんじゃない?|エピソード75:はじめての作品 – 最初からうまい人なんて

ハリウッドで彫刻家、キャラクターデザイナー、映画監督として活動。日本で開催する彫刻セミナーは毎回満席の片桐裕司さんのエッセーです。肩の力を抜き、楽しんでお読みください!


片桐 裕司 / HIROSHI KATAGIRI
彫刻家、映画監督

東京生まれ、東京育ち。1990年、18歳のときに渡米。スクリーミング・マッド・ジョージ氏の工房で働きはじめる。98年にTVシリーズ『Xファイル』のメイクアップでエミー賞受賞。その後、『ターミネーター』『エイリアン』『ジュラシックパーク』のキャラクタークリエーション等で有名なハリウッドのトップ工房スタンウィンストン スタジオのメインアーティストとして活躍(2000〜6年)『A.I.』『ジュラシックパーク』『タイムマシーン』『宇宙戦争』等の制作に携わる。現在、フリーランスの造形家、映画監督として活躍中。
東京生まれ、東京育ち。1990年、18歳のときに渡米。スクリーミング・マッド・ジョージ氏の工房で働きはじめる。98年にTVシリーズ『Xファイル』のメイクアップでエミー賞受賞。その後、『ターミネーター』『エイリアン』『ジュラシックパーク』のキャラクタークリエーション等で有名なハリウッドのトップ工房スタンウィンストン スタジオのメインアーティストとして活躍(2000〜6年)『A.I.』『ジュラシックパーク』『タイムマシーン』『宇宙戦争』等の制作に携わる。現在、フリーランスの造形家、映画監督として活躍中。

エピソード75:はじめての作品 - 最初からうまい人なんて

業界でもトップクラスのアーティストで、20歳のときにオリジナルの プレデター を彫刻ペイントしたという天才的人物 Steve Wang(スティーブ・ワン)と仕事をしたときの事。

そんな彼も「初期の作品はひどかった」と言うので「じゃあ、お互い昔の作品を持ってこよう」と言う事になった。そして、数日後、お互いの古い作品を持ち寄った。

自分の方は、周りにも「自分は昔下手だった」と公言しているので驚くにはあたらないが「スティーブが下手だった」というのは なかなか信じ難かった。

 

はじめて作ったウンコレベルマスク(制作:片桐さん(高校生のとき))

リアルには見えないなぁ...。(制作:片桐さん(20歳頃))

リアルじゃないけど味はある!(制作:片桐さん(20歳頃))

本当に作りまくってたなぁ(制作:片桐さん(20歳頃))

そして、スティーブが持ってきたのが、彼が17歳のときに はじめて作ったマスク。

なんと!

超へた!

 

皆さん。最初からうまい人なんて そうそういません。いたとしても、努力しなければ追い抜かれます。

スティーブは、それからずーっと家にこもって、造形の練習に明け暮れて うまくなったのです。作りまくったのです。母親が心配して「もっと遊びなさい」とアクティブな友人に彼を遊びに連れて行くよう けしかけるほど、ガレージに籠って練習したのです。そのアクティブな友人も感化されて、一緒にものづくりをしてしまうほどに...。

自分もそう。最初は超へたで劣等感をもってたけど作りまくったのです。怠けていて うまくなる訳ないのです(※エピソード17:はじめての特殊メイク2 -溶解人間- / エピソード21:私に芸術の才能はない 参照)。

その後、スティーブとお互いの作品を馬鹿にしあったのでした。
皆さんもがんばりましょう!

 

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■ハリウッドで活躍するキャラクターデザイナー 片桐裕司による彫刻セミナー
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