【特別寄稿】造形家 / 映画監督 片桐裕司の いろいろあっていいんじゃない?|エピソード75:はじめての作品 – 最初からうまい人なんて
ハリウッドで彫刻家、キャラクターデザイナー、映画監督として活動。日本で開催する彫刻セミナーは毎回満席の片桐裕司さんのエッセーです。肩の力を抜き、楽しんでお読みください!
エピソード75:はじめての作品 - 最初からうまい人なんて
業界でもトップクラスのアーティストで、20歳のときにオリジナルの プレデター を彫刻ペイントしたという天才的人物 Steve Wang(スティーブ・ワン)と仕事をしたときの事。
そんな彼も「初期の作品はひどかった」と言うので「じゃあ、お互い昔の作品を持ってこよう」と言う事になった。そして、数日後、お互いの古い作品を持ち寄った。
自分の方は、周りにも「自分は昔下手だった」と公言しているので驚くにはあたらないが「スティーブが下手だった」というのは なかなか信じ難かった。
そして、スティーブが持ってきたのが、彼が17歳のときに はじめて作ったマスク。
なんと!
超へた!
皆さん。最初からうまい人なんて そうそういません。いたとしても、努力しなければ追い抜かれます。
スティーブは、それからずーっと家にこもって、造形の練習に明け暮れて うまくなったのです。作りまくったのです。母親が心配して「もっと遊びなさい」とアクティブな友人に彼を遊びに連れて行くよう けしかけるほど、ガレージに籠って練習したのです。そのアクティブな友人も感化されて、一緒にものづくりをしてしまうほどに...。
自分もそう。最初は超へたで劣等感をもってたけど作りまくったのです。怠けていて うまくなる訳ないのです(※エピソード17:はじめての特殊メイク2 -溶解人間- / エピソード21:私に芸術の才能はない 参照)。
その後、スティーブとお互いの作品を馬鹿にしあったのでした。
皆さんもがんばりましょう!
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