ZBrush スカルプト:『Thorn Lieutenant -茨の副官』のメイキング
10 台座をスカルプトする
台座の制作では、満足のいく結果になるまで何度もテストします。中には、キャラクターよりも目立つもの、2体が同じ平面上になるもの、テーマに合わないものもありました。今回は、キャラクターを段差のある平面に配置することを思いついたので、そのための台座をスカルプトしました。
キャラクターの台座をスカルプトする
11 枝をスカルプトする
枝では、まず[CurveTubes]ブラシで個別に見栄えする形を作り、ダイナメッシュで結合、最後に[Zリメッシャー]を適用します。ZSphere でもより細かく調整できますが、今回は[カーブ]モディファイアで手早く作成しました。
[CurveTubes]ブラシで枝を作成する
12 課題とディテール
最大の課題は、アクセサリーの機能性を残すことでした。コンセプトでは完璧に見えても、3Dでは調整が必要になります。そのため、モデルのあらゆる側面を示し、キャラクターの動きとどのように連動するかを想像しました。
もう1つの課題は、ディテールです。革にはノイズを入れず、アクセサリーをすっきりさせつつ、大きめのディテールになるように心がけました。このステップでは、サテュロスの顔を変更し、ディテールを調整しています。また、エルフのポーズも台座に合わせて少し変え、より自然に見えるようにしました。
ディテールの調整とアクセサリーの変更
13 縫い目
縫い目に深みを持たせるブラシで、うまくスカルプトしました。アクセサリーに応じて、「ステッチには縫い目があるのか、ないのか」「本物はどのように見えるのか」をペイントするたびに考えています。
縫い目の作り方
14 完成イメージ
作業の終わりは嬉しいものです。最後に納得できる形でまとめることがプロジェクトにおいて最も重要であり、それによって充実感を得られるでしょう。
完成イメージ
プロのヒント:クイックモデリング用メニューを作る
もう1つ、ブロッキングでとても役立つヒントを紹介しましょう。図のメニューは、アクセサリーやアーマーのブロッキングを素早く行うためのボタンで構成されています。
インターフェイスをカスタマイズして素早くモデリングする
まとめ
私からの最後のヒントは「モデリング中は特定の部分に固執せず、全体的にゆっくり作業する」です。このような作業スタイルを私が好むのは、オブジェクトやアナトミーに戻ったとき、これまでと異なる理解によって、より良いアイデアが浮かぶかもしれないからです。少なくとも、初期のモデリング段階で行き詰まることはなくなるでしょう。
もう1つは、「ディテールに着手する前にモデルを結合させる」です。ディテールを作り始めると、ファイルが重くなり、パーツごとに分割する必要が出てきます。今回のプロジェクトでは、ファイルが壊れる心配をしなくてすむように、5つの部分に分けてディテールを作成しました。ファイルはそれぞれのキャラクターで 2つに分け、台座用が 1つあります。また、モーフターゲットでレイヤーに希望どおりの結果を得られたら、モーフターゲットをオフにします(これはファイル内で大きなウェイトを占めます)。
このような機会をくれた 3dtotal に感謝するとともに、このチュートリアルが気に入ってもらえることを願っています。ありがとうございました。またお会いしましょう!