【インタビュー】情熱はテクスチャリングとルックデベロップメントに:テクスチャアーティスト Maria Cifuentes 氏
テクスチャアーティスト Maria Cifuentes 氏 が、これまでの素晴らしい作品 と 今後の展望について語ります

Q. 自己紹介をお願いします
こんにちは。まず、このインタビューの機会をいただき、本当にありがとうございます。名前は Maria Cifuentes。コロンビア出身ですが、アメリカに住んでもう10年近くになります。
学生時代は視覚効果(VFX)を専攻し、特に モデリング、テクスチャリング、ルックデベロップメントに重点を置いて学んでいました。サンフランシスコの AAU(アカデミー・オブ・アート大学)で美術学士号を取得しましたが、アセット制作により特化したいと考えていたため、同時に Think Tank Training Centre Online にも在籍し、映画向けアセット制作も学びました。
AAU では視覚効果全般についての基礎知識を身につけ、Think Tank ではアセット制作の専門的なスキルと実践的な知識を磨くことができました。この両方の経験が、現在の私の技術的基盤となっています。
Think Tank での最終課題「Inglourious Raccoons (いたずら好きなアライグマ)」(オリジナルコンセプトアート:Eugene Valyntsevich)
Q. 制作ワークフローをおしえてください。アイデアはどこから得ましたか?
学生時代の作品の1つである「ドラゴンテクスチャ プロジェクト」は、Think Tank Training Centre で有機的なテクスチャリングスキル向上のための課題として制作しました。3Dモデルは学校から提供されたものを使い、私がすべてのテクスチャマップとルックデベロップメントを担当しました。
制作にあたっては、爬虫類や自然全般から多くのインスピレーションを得ました。インストラクターから教わった重要なアドバイスは、「クリーチャーテクスチャアーティスト あるいは テクスチャアーティスト全般を目指すなら、質の高いリファレンスを収集することが不可欠だ」ということでした。
技術的には、色の差別化に多くのプロシージャル手法とタイル可能なマップを使用しました。また、クリーチャーのどの部分が最も太陽光を受けるかを考慮することも重要で、これが全体の色彩管理を決定する要因となっています。
ドラゴンのスペキュラ / ディフューズ / AO(アンビエントオクルージョン) / バンプ
Q. 制作で苦労したことはありますか? 新しい学びはありましたか?
このドラゴンの制作を通じて、本当に多くのことを学ぶことができました。特に印象深かったのは、ZBrush からディスプレイスメントマップを抽出し、それを異なる詳細レベルに分解してから Mari でのテクスチャリングに活用するプロセスを習得できたことです。
当時は難しく感じた部分でもあったので、今同じ作業を行うとしても、各ステップを正確に理解しているか改めて確認する必要があるでしょう。最終的な仕上がりには非常に満足しています。
このプロジェクトでもう1つ重要な発見となったのは、マスクの効果的な使用方法でした。マスクの有用性は以前から理解していましたが、この作品を通してその威力を実感することができました。この経験から、将来的にはより多くのクリーチャーや動物のテクスチャリングに挑戦したいという気持ちが強くなりました。制作過程がとても楽しく、やりがいのある経験でした。
ドローンのテクスチャとルックデベロップメントを制作(※モデルは Think Tank 提供)
Q. 芸術的な目標はありますか?
たくさんの芸術的な目標、計画、そして夢があります! こんなにもワクワクできるキャリアを見つけることができて、本当に幸せです。学生時代から一貫して、CGスキルを継続的に磨き、3D技術について深く学び続けることを目指してきました。情熱は常にテクスチャリングとルックデベロップメントにあるため、この2つの分野により一層集中して取り組んでいます。
同時に、バランスの取れたアーティストになることも重要だと考えているため、モデリングやCGの他の側面についても継続して練習を重ねています。学生時代はリアルな人間、クリーチャー、ハードサーフェスまで幅広いプロジェクトに挑戦する計画を立てていました。現在はその経験を活かし、ILM(Industrial Light & Magic)でジュニア テクスチャアーティストとして実際の映画制作に携わっています。
「ミア・ウォレス」(映画研究のペンディング。映画『パルプ・フィクション』(1994年) より)
ビートルのテクスチャとルックデベロップメント(※モデルは AAU 提供)
「SINGER」(ビンテージミシン)
Q. お気に入りのアーティストは誰ですか? 手描き/デジタルどちらでもかまわないので、理由も一緒におしえてください
好きなアーティストについてはいくらでも語ることができますが、簡潔にまとめてみましょう。私はあらゆるアートが大好きです。デジタルか手描きかは関係なく、どこからでもインスピレーションを得ることができます。自分の才能を世に出し、素晴らしい作品を世界に発信しているすべてのアーティストを心から尊敬しています。
永遠のお気に入りアーティストは フィンセント・ファン・ゴッホ です。学生時代のあるプロジェクトで約半年間、彼について研究した結果、さらに深く敬愛するようになりました。ゴッホは苦悩に満ちた人生からインスピレーションを得て、それを美しい絵画へと昇華させました。彼は情熱的で優しい人物でした。それこそが今の世界にもっと必要なものだと思います。
現代の伝統的なアーティストでは、Jason Anderson を挙げたいと思います。彼は魅惑的な絵画を制作するコンテンポラリーアーティストです。他に憧れている2Dアーティストには、Nivanh Chanthara、Sam Rowan、Eugene Valyntsevich、Nikolai Lockertsen がいます。
3Dアーティストについても、常にインスピレーションを求めて参考にしている長いリストがあります。以下のアーティストたちは各分野で卓越した技術を持ち、常に私にインスピレーションを与えてくれる存在であり、そのクオリティは目標とするレベルです:Sefki Ibrahim、Ian Spriggs、Paul H. Paulino、Gino Luka Kolling、Gael Kerchenbaum。
このクリーチャー、チュパカブラ は ZBrush で制作(オリジナルコンセプトアート:Sam Rowan)
Q. 近年の作品についてお聞かせください
学生時代の集大成として、Think Tank の中級課程最終課題でリアルな女性のポートレートを制作しました。キャラクターのテクスチャリングとルックデベロップメントのプロセスに興味があったため、この課題は私にとって大きな挑戦となりました。
現在 ILM で手がけている実際の映画制作については、以下のデモリールをご覧ください。これらの作品を通じて、学生時代に培った技術と情熱を業界の最前線で活かすことができています。
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