3Dプリント用モデルの作成 :ウルヴァリンのモデリング&ポージング
08 レンダリング
レンダリングには 3点照明を使い、背景をより鮮明にするために追加でライトを当てます。下手なライティングはプレゼンテーションを台無しするため、ライトの位置はとても重要です。今回はキャラクターのディテールまでしっかり見せたかったので、ドラマチックライトは不向きだと思いました(それは見栄えがしますが、モデル全体がはっきりと見えなくなる場合もあります)。また、リムライトをうまく使うと、強調しすぎずに背景から切り出し、演出することができます。
Cinema 4D と OctaneRender を使用
このライトのセットは、モデルがすでにプリントされているように見せるためのものです。マテリアルは特別なものではありません。奥行きを出すために色に汚しを入れたディフューズで、ある部分では、スペキュラを最大にし、粗さを非常に小さくして使っています。非常にシンプルなマテリアルでもきれいに仕上がるでしょう。当初は無色のグレーでレンダリングを考えていたため、とても助かりました。
キーライト / フィルライト
バックライト1 / バックライト2
すべてのライト。ライトやシェーダをいろいろ試して、かっこいいイメージに仕上げます
09 構図
基本的には、各ライトをレンダリングした後、オーバーレイでファイルを1つにし、画像処理を行います。私は特定の場所にもう少し彩度とシャープネスを加え、色あせた表面を生き生きと見えるように調整しました。
プレゼンテーション用に彩度やレベルを調整します
10 シルエット
シルエットをうまく活用しましょう。わずかな調整でキャラクターは大きく生まれ変わります。キャラクターの特徴がわかれば、シルエット作りで大きなアドバンテージになります。ご存知のとおり、ウルヴァリンは攻撃的な性格なので、各爪をしっかり離しました。
また、ネガティブスペースを使って、シンメトリーを崩すような動きを表現しています。良いシルエットは、キャラクターに多くの効果をもたらし、背景から切り離して注意を引きます。このことを常に念頭に置きましょう。シルエットを正しく使えば、キャラクターに生き生きとした躍動感が出ます。
ウルヴァリンの最終的なシルエットです。ディテールがなくてもキャラクターを十分に表現できているのがわかります
11 妥協しない
勉強するときは、たとえそれが簡単な頭部でも、妥協してはいけません。建設的な批評は、プロとしても個人としても、上達に必要不可欠です。このウルヴァリンモデルでは、仕上がりが気に入らない部分について、友人に意見を求めました。人の意見に左右され、自分の芸術的アイデンティティが失われるのを恐れる人もいますが、私はそうは思いません。アートの世界では、1人でも遠くまで行けます。しかし、誰かの助けがあれば、想像もつかないようなところへ到達することもあるのです。
納得できるまで、何度か手袋をやり直しました。戻ることを恐れないでください。これはプロダクションでは普通のことです
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