3D-Coat使用、SFキャラクターモデルのメイキング
イランの コンセプトデザイナー / モデラー Fuad Quaderi 氏 が、素晴らしい SFキャラクターのメイキングワークフローを共有します(3D-Coat使用)
01. ラフ コンセプト
まず、デザイン言語に関する知識を基に[ボクセルツール]>[球]ツールで初期メッシュを作成します。私は、リファレンス画像を使わずに、頭を使って、フォームとリズムを探ります。この初期スカルプトは、制作の中で最も重要なステップです! ここをおろそかにすると、分割やディテールの追加が上手くいきません。
私のお気に入り機能は、ソフトでフレキシブルな[球]ツールです。これで、好みの形状やコンセプトを作ります。私が 3D-Coat を愛用する理由は、ワークフローがとても感覚的であり、ボクセルスカルプティングでハードサーフェスにも柔軟に対応できるからです。
3D-Coat でラフなコンセプトをスカルプティング
02. メッシュを切り離す
このステップは、私のお気に入りのパートです。[隠す]ツールを使えば、手早く形状を分離できるでしょう。まず[調整]>[隠す]ツールで形状を非表示にしていき、[Geometry]>[隠した部分を切り離す]を実行します。次に[ボクセルツリー]タブで分離したパーツを選択し、図のようにパーツを色分けしていきます。
[隠す]ツールでメッシュを切り離します
03. スムージング
メッシュを切り離したら、[解像度を増加](または[解像度調整])で形状を滑らかにします。小さなパーツの場合は、もっと前の手順で[解像度を増加]を使用することもあります(この操作により小さなディテールが失われるのを防ぐため)。
[隠す]ツールで形状を切り離し、[解像度を増加]を適用した結果
04. ディテール
[ボクセルモード]でディテールを操作するとシーンが重くなるため、メッシュレイヤーを[サーフェイスモード]に設定します([ボクセルツリー]タブで[V]ボタンをクリック)。[ライブクレイ]はディテールを追加するのに最適なツールです([ライブクレイ]設定とその結果については、図を参照ください)。
[ライブクレイ]で小さなディテールを追加、サーフェス上でコンセプトを探求します
05. 工業的なディテール
サーフェスに工業的で角ばった形状を加えることもあるでしょう。そのような場合、手早く便利な[ボクセル押し出し]で、多くのアイデアを探求することができます(図の[ボクセル押し出し]設定を参照ください)。
[ボクセル押し出し]ツールで、コントラストとなるシャープなディテールを追加、[適用]を押します
06. 最終メッシュ
最終的に、空白部分や不完全パーツのない 詳細なメッシュになりました! メカデザインでは、私は細かなディテールを作るのに 最低でも30分、最大で4〜5時間かけることがあります。
スカルプティングを終えた最終イメージ
07. KeyShot
Keyshot にメッシュをインポートして、さまざまなマテリアルを試します
[ボクセル押し出し]ツールで、コントラストとなるシャープなディテールを追加、[適用]を押します
08. ポストプロダクション
KeyShot でのレンダリングの後、イメージを Photoshop に取り込み、サーフェスマーキング(デカール)、グローライト、微妙なビネットエフェクトなどの仕上げを施します。
最終イメージ:ポスプロ前
最終イメージ:ポスプロ後
3D-Coat と KeyShot で制作した ハイブリッド メカ コレクション
Fuad Quaderi氏によるワークフロー紹介映像