Blender 使用、2Dポートレートを3Dに:「1 million」のメイキング
04 髪の毛
いつものように、髪の毛にはかなり苦労しました。2つの別オブジェクトとして作成しています(大きな髪の束と小さな髪の束)。それぞれの毛束はカーブで作られ、別のカーブは毛塊のプロファイルに使用されています。この方法の詳細については、 Pancake_Manicure 氏 のチュートリアルを御覧ください。
この髪を作るのに2日かかったため、ワークフローのこの部分はもっと最適化する必要があると感じました。そこで最新のプロジェクトでは、ZBrush の[Hair Clump]ブラシを使ったワークフローを真似して、サーフェス上で使用する「ドローカーブツール」(カーブの編集 モードで使用可能)を試したところ、1時間で見栄え良い髪を作ることができました。
05 シェーディング、ライティング、レンダリング
EEVEE を使ったリアルタイムレンダリングでは、静止画のみ作成するつもりでした。そのため、時間を節約し、リトポロジーやUV展開、テクスチャは使いません。その代わりに、頂点カラーを使っています。下図は、ボディに使った4つの頂点カラーレイヤーです:
• Col(色):ベースカラーに使用。元のイラストからベーストーンを選び、色のバリエーションとより自然なルックを加えるため、部分的に赤みがかった色を塗っています。
• Glow(グロー):当初は手の自己発光に使用する予定でしたが、いくつかのテストを経て、手のベースカラーを明るくするマスクとして使っています。
• Glossy(グロッシー):光沢を表します。すべての頂点を50%のグレーで塗り、一部は光沢を出すために明るい色で塗っています。
• Cavity(キャビティ):シェーダにキャビティ(凹み)を持たせるには、レイトレーシングが必要なので、EEVEE では使えません。しかし、[頂点ペイント]モードで利用可能な 「Dirty Vertex Color 」アルゴリズムを使うトリックがあります。キャビティ値の微調整は、シェーダで[カラーランプ]ノードを使います。
下図のように、女性のシェーダには[プリンシプル BDSF]を使い、少量の「サブサーフェス スキャタリング」(0.01)と皮下に若干の紫色のトーンを加えました。ベースカラーの 入力は、Col、Glow、Cavityの頂点カラーレイヤーの組み合わせです。Col vertex color に[HSV(色相/彩度/明度)]ノードを使って、環境光とメインライトの影響を補正し、最終的に元のイラストの色に近づけています。
下図は、法線マップを使ってディテールを追加した髪(左)と、法線マップなしの髪(右)の違いを示しています。これらのディテールは、Xスケールを0に設定したプロシージャル[ノイズテクスチャ]ノードを使って 、髪の束に沿って細い線を描いています。このような結果になるのは、髪の毛に使われるカーブが自動的にUVマップを生成するためです。
ワールドシェーダは、画像の背景と環境ライティング用に異なる色を持っています。背景には、元のイラストのグラデーションに似たプロシージャル[グラデーションテクスチャ ]ノードを使いました。しかし、環境ライティングには適しておらず、ある種のマルーンレッドでなければなりませんでした。これは、[ライトパス]ノードのカメラレイで行いました。
最終レンダリングには3つの光源を使っています:
• 環境光:最も簡単に色付きの影を実現したいなら、色付き環境光を使います。このプロジェクトでは、マルーンレッドの色調を加えることで、元のイラストに近い仕上がりになりました。
• メインライト:シャツが白いので、元のイラストのシャツを見て、メインライトに必要な色を決めます。ターコイズブルーの色みが適しているように見えました。鼻と顎の下の影から、ライトは人物の真上にあるとわかります。ここでは、エリアライトを使いました。
• フォーカスライト:手や顔にピントを合わせるためのライト。よりソフトな影を得るため、大きめに設定したにポイントライトを使いました。
まとめ
この個人プロジェクトを完成させるのに、1週間ほどかかりました。今回は、お金を稼ぐためではなく、楽しむために作成しました。では、時間を費やす価値はあったのでしょうか? このプロジェクトには多くの好意的なフィードバックが寄せられ、Artstation、Instagram、Blender Artists、Blender Nation で大好評でした。何よりも嬉しかったのが、3dtotal のギャラリーに選ばれたことです。素晴らしい 3Dアーティストと一緒に並べられることは、私にとって大きな意味があります。誇れるものや得意なことを持つことができ、自信もついたため、時間をかける価値があったと感じています。そのような機会を与えてくれた 3dtotal に感謝します。
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