ゲームキャラクターをつくる – モデリング編:05 アーマーのスカルプト

ステップ6:ヘルメットを作成する

ヘルメットは 4つのサブツールで構成されています。後頭部を包み込む部分と顎のストラップは、マスキングと抜き出しの手法で進め、[Thickness(厚さ)]は好みの量に設定します。

バイザー部分は、2つのサブツールで構成されています。頭頂から側頭にかけて耳を覆う部分は、マスキングと抜き出しを行い、[Move]ブラシとダイナメッシュでジオメトリの形状を整えましょう。このサブツールを複製([SubTool(サブツール)]>[Duplicate(複製)])して調整すると、バイザーの前面部分になります。

[Smooth]ブラシと[hPolish]ブラシで、ヘルメットの表面を滑らかにします。[Clip]系ブラシを使うと、ヘルメットの尖った角や曲線状のエッジを作成できます。

[Clip]系ブラシを選択するには、[Ctrl]+[Shift]キーを押したまま ブラシ選択アイコンをクリック、好みの[Clip]ブラシを選択します。ここでは[ClipCurve]ブラシを使いました。[Clip]系ブラシは、作成したクリップカーブに基づいてポリゴンを押し込みます。[ClipCurve]ブラシは、クリック&ドラッグで直線を描き、クリックを放したとき、その線に基づいてポリゴンが押し込まれます。

曲線を描くには、クリックしたまま[Alt]キーを押します。鋭角を作るには、クリックしたまま[Alt]キーを 2回押します。[スペース]キーを押したままにすると、クリップカーブを移動できます。

[Smooth]ブラシと[hPolish]ブラシで、ヘルメットの表面を滑らかにします

ステップ7:ヘアに取り組む

頭のサブツールを選択したまま ヘアの領域をマスク、[SubTool(サブツール)]>[Extract(抜き出し)]>[Extract(抜き出し)]オプションで新しいサブツールを作成します。このキャラクターでは、ヘアのスカルプティングを太めのストロークに留め、全体のディテールレベルに一貫性を保ちたいと思います。

まず[Clay]ブラシと[Standard]ブラシでヘアの主な流れを描きます。次に[Dam_Standard]ブラシで方向性を描いて、複数の毛束に分割します。シリンダをアペンドして([SubTool(サブツール)]>[Append(アペンド)]>[Cylinder3D])、ダイナメッシュをオン。[Transpose(トランスポーズ)]ツールでポニーテールを配置します。

[Move]ブラシで全体的な形状を作り、[Clay]ブラシと[Dam_Standard]ブラシで髪の毛の方向性を描きます。このポニーテールは単なるプレースホルダです。リトポロジの段階で毛束に置き換えます。

このポニーテールは単なるプレースホルダです。リトポロジの段階で毛束に置き換えます

ステップ8:メッシュのクリーンアップとデシメーション

時間をかけてモデルを見直し、必要な領域で修正とクリーンアップを行います。繰り返しになりますが、整ったクリーンなメッシュやディテールの多いメッシュを作る必要はありません。それは後回しです。

メッシュのデシメーションを行う前に Zツールのコピーを保存しておくと良いでしょう。[ZPlugin(Zプラグイン)]>[Decimation Master(デシメーションマスター)]>[Pre-process All(すべてプリプロセス)]を選択、[デシメーションの%]を設定して[Decimate All(すべてデシメート)]を選択します。ただし、1つの値をすべてのサブツールを設定することはできません。それぞれのサブツールに最適な値で、個別にデシメーションを実行します。

ポリゴン数が最も少なくなり、かつ メッシュの形状をきれいに保持するような値にしましょう。すべてのサブツールにデシメーションを施したら、[Decimation Master(デシメーションマスター)]>[Export All Subtools(全サブツールをエクスポート)]または[SubTool Master(サブツールマスター)]>[Export(エクスポート)]で、表示サブツールすべてを書き出します。

表示サブツールすべてを書き出します

 

★メイキング動画:Create a game character: Jouster – part 3 by Adam Fisher(8分51秒)

▼モデリング編:06 アーマーメッシュの作成 につづく

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最終/完成イメージ

編集部からのヒント

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翻訳:STUDIO LIZZ (Atsu)
編集:3dtotal.jp