ホーム > チュートリアル > リアルな質感、ファンタジーキャラクターに生命を吹き込む方法(1)

チュートリアル

リアルな質感、ファンタジーキャラクターに生命を吹き込む方法(1)

制作:Dmitry Cheremisin

Web: https://www.artstation.com/artist/d33m0n

t057_top

ウクライナの 独学3Dアーティスト Dmitry Cheremisin 氏が、リアルな質感の美しい女エルフのメイキングを解説します(ZBrush、3ds Max、V-Ray、xNormal、Ps等使用)

こんにちは! これから私の手掛けたプロジェクトのワークフローを共有します。この女エルフの制作プロセス(スカルプト、テクスチャリング、シェーダ設定、レンダリング)についてです。このチュートリアルが皆さんにとって有意義で、何か新しい内容や役立つことの発見につながれば幸いです。それでは始めましょう。

スカルプト

新しいプロジェクトを始める際、私は、まず、ベースのフォームと正確なプロポーションを得るためドラフトスカルプトをします。そして、次に、モデルの全要素を磨き上げる作業に移ります。このとき、モデルのサイズを正確にしておくことが重要です。不正確なサイズで進めると最終結果が予測できなくなり、正しい設定に直すのに多くの時間を費やすことになります。したがって、早い段階から注意しておくことが大切です。各要素に磨きをかけたら、バストアップにリトポロジを実行します。

モデルのスカルプト、洗練、リトポロジ

モデルのスカルプト、洗練、リトポロジ

オーバーラップのない UV を作成します。バストアップにサブディビジョンを追加する際、私は常に ZBrush の[Project All]で投影(プロジェクト)します。これで、スカルプトを新しいメッシュに転送できます。元のスカルプトと同じような見た目のメッシュが得られますが、トポロジと UV は最適化されたままです。他のオブジェクトも同じ方法でクリーントポロジとUVを作成し、新しいメッシュ上に元のスカルプトを投影しています。

UV の作成とスカルプトの転送

UV の作成とスカルプトの転送

洗練されたメッシュ

洗練されたメッシュ

毛穴のスカルプト

スカルプトの成功の秘訣はリファレンスです。特に、リアルな肌のキャラクターを作成するには必須と言えるでしょう。高解像度の写真をベースとして、Photoshop で[ハイパス]フィルタを適用、[色相・彩度]で彩度を下げ、[レベル補正]を実行します。これで毛穴としわが明確になり、スカルプトのステンシルやカスタムブラシのベースとして使えます。私は、ZBrush の[Noise Maker]で毛穴を追加して、肌に多少のバリエーションをつけています。

毛穴としわの構造

毛穴としわの構造

[Noise Maker]で作成した顔の毛穴

[Noise Maker]で作成した顔の毛穴

シーンの設定

シーンの設定で欠かせないのは、シェーダ、光源、カメラを理解して、1つのシステムとして連携させることです。光源とカメラを正しく設定したら、その後は、主にシェーダの調整です。私は、テストレンダリングでシェーダ設定用にテスト光源とカメラを設置しますが、最終的な配置は変更できます。光源は、サブサーフェス スキャタリング(SSS)が表れるように配置。いつも前方の光源を45度傾けています。そして、バックライトは、光の散乱が耳の辺りで見えるようにします。V-Ray カメラは、現実のカメラ設定と同じように設定。ホワイトバランスは、色収差を避けるためニュートラルにしました。ドームライトに HDRI マップを追加、環境マップとして使用します。VRayFastSSS2 シェーダは、サイズに敏感に反応するので、ZBrush から読み込んだモデルのスケールが正しいことを再確認してください。

3ds Max でシーンを設定

3ds Max でシーンを設定

スキンシェーダの設定:パート1

肌のシェーダとなるスキンシェーダは複雑なので、違う要素、つまり、サブマテリアルに分ける方法が私の好みです。まず、Specularity(鏡面反射)を完全にオフにしたサブサーフェス スキャタリング(SSS)から始めます。テクスチャはシェーダのルック(色、彩度、明度)に影響するので、初期段階ではテクスチャの代わりに VRayColor ノードを使用しましょう。これでシェーダ上での作業がやりやすくなります。後の工程でこれらのノードはテクスチャのベースとして使用します。正しいScattering Radius(スキャタリング半径)を探りましょう。最適なサイズは、1.2~2 cmの間です。

サブサーフェス スキャタリング(SSS)の半径のテスト値

サブサーフェス スキャタリング(SSS)の半径のテスト値

次に、VRayMtl の Diffuse(拡散反射)スロットにグレーをリンク、シングル スキャタリング(SS)をシェーダ構造に追加します。VRayBlendMtl で作成した2つのシェーダを接続しますが、SSS の色から SS(グレー)の数値を事前に引いておきます。SSS と SSS+SS の違いは、VRayColor の代わりにテクスチャを使用する際に明確になることでしょう。

スキンシェーダ構造にシングル スキャタリングを追加

スキンシェーダ構造にシングル スキャタリングを追加

緑(G)や青(B)よりも、赤(R)の拡散反射(ディフューズ)の方が肌には深く入るので、スキンシェーダでもこの現象を再現することにしました。[カラー補正 (ColorCorrection)]ノードで SSS の色を赤、緑、青(RGB)チャンネルに分けます。3つのチャンネルには、それぞれのスキャタリングの半径の VRayFastSSS2 シェーダがあり、これらはすべて VRayBlendMtl(Additive (shellac)モードをオン) で統合されます。最終的にマルチレイヤーのサブサーフェススキャタリング(SSS)となり、分散にきれいな色勾配が得られます(シングルとマルチレイヤーのスキャタリングの比較については、以下の画像をご覧ください)。

マルチレイヤーのサブサーフェス スキャタリング(SSS)

マルチレイヤーのサブサーフェス スキャタリング(SSS)

最後に、プライマリ(第1)とセカンダリ(第2)の鏡面反射(スペキュラ)シェーダを追加。すべてのシェーダは、VRayBlendMtl(Additive (shellac)モードをオン)で接続された状態です。次は、テクスチャリングのプロセスに進みます。

スキンシェーダの構造にプライマリ(第1)とセカンダリ(第2)の鏡面反射(スペキュラ)シェーダを追加

スキンシェーダの構造にプライマリ(第1)とセカンダリ(第2)の鏡面反射(スペキュラ)シェーダを追加

パート2へつづく >>>


オリジナルURL(英語):
http://www.3dtotal.com/tutorial/2123

翻訳:STUDIO LIZZ(Nao)
編集:3DTotal.jp


PAGE TOPへ