穏やかな情景「瞑想の庭」のメイキング

ポルトガルの3Dアーティスト Sergio Mereces氏が、穏やかな情景『Meditation Garden(瞑想の庭)』のメイキング、ワークフローを共有します(3ds Max使用)


Sergio Mereces
3D アーティスト


『Meditation Garden(瞑想の庭)』は3Dレンダリングプロジェクトとして制作しました。この作品では、自然や動物と共存できる森の空間、平和で家族とともに過ごす秘密の場所をデザインしたいと思いました。主なインスピレーションは自然そのものです。このメイキングでは、HDRIライトを使用した風景の構図とライトについて触れながら、イメージの制作方法をお見せします。

ステップ01:モデリング

3ds Max での地形のモデリングとデザインから始めます。まず、スプラインでベースシェイプを作成。続けて、水を表現するための平面を追加、そのシェイプを島の形に変更します。すべてのシェイプを作成できたら[押し出し]モディファイヤでフォームを形作り、スクリプト Populate:Terrain でシェイプのジオメトリとトポロジを調整します。

[Populate:Terrains]を使えばジオメトリやトポロジをクリーンで規則的な四角形メッシュに修正できます。スプライン → [押し出し]モディファイヤ →[Populate:Terrains]でトポロジを修正

ステップ02:植物

さまざまな種類の植物(草・花・木など)の作成に多くの時間を費やしました。草には スキャッタリングツール Forest Pack を、木には EvermotionMentor plants を利用しました。すべてのアセットを作成したら、Forest Pack での環境デザインに取り掛かります。このプラグインの機能があれば、植物に関するほとんどの作業を行えるしょう! 私は、さまざまな種類の植物(草・茂み・木など)を Forest Pack で作成しました。

私は、仕事において、日常的に Forest Pack を使用しています。このプラグインは環境デザインに最適です

ステップ03:カメラと構図

最終イメージの構図と最適なカメラアングルを探るため、私は、まず、紙にラフスケッチします。地形のモデリングを終え、ラフな構図は計画済みなので、さまざまな形と配置についてじっくり練ることができるでしょう。今回の構図はすべて、三分割法をベースにしています。

3Dの作業に進む前に、ラフスケッチして構図を練ります

ステップ04:ライティングとレンダリング

モデリングを終え、構図が決まったら、シーンのライティングに移ります。HDRI(ハイダイナミックレンジイメージ)でV-Ray ドームライトのみを使用。HDRI を使うときは最終レンダーで良好な結果が得られるように、ドームのサンプル数を増やすことが重要です。レンダー設定は以下の図を参照ください。完成イメージの解像度は、小さなディテールに最適な8,000ピクセルに設定します。

V-Ray の設定

高解像度でレンダリングするときには、レンダーファームを利用することをお勧めします

ステップ05:ポストプロダクション

きれいにカラーコレクションを行うためには、ポスプロが重要です! 同時にレンダーパスの作成も、仕上がりに磨きをかけるのに欠かせません。私の個人プロジェクトはすべて 3ds Max で作成しています。したがって、最終段階では Photoshop でカラコレを実行するだけです。Photoshop では、[トーンカーブ]、[レベル補正]、その他にもフォトルックに仕上がるプラグインを使用。仕上げとして、ポスプロ段階で動物と人物を加えました。

レンダーパスのサンプル

レンダーパスが最終イメージに与える影響がよく分かります

最終イメージ


翻訳:STUDIO LIZZ (TK)
編集:3dtotal.jp