マッドマックス 怒りのデス・ロード風、ポストアポカリプス ゾンビハンターのメイキング
イラク出身、独学の3Dアーティスト HumamMunir氏が、そのクールな作品『Post Apocalyptic Zombie Hunter(ポストアポカリプス ゾンビハンター)』のメイキングを共有します(3ds Max、ZBrush、V-Ray 等使用)
このチュートリアルでは、最初のアイデアからポスプロ、最終イメージまでのワークフローについて説明します。今回、私は自分のアートを次のレベルまで押し上げたかったので、緻密なディテールの複雑な車両を作成することにしました。
アイデア
映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』にとてもインスパイアされたので、このプロジェクトでは、リファレンスとして劇中の登場車両を使用します。特に、その車両装備が気に入ったので、独自の装備を作ることにしました。乾燥した気候、曇りがちな空によって破壊された退廃的な環境に、錆びた配管、チェーン、大きなエンジンと大きなタイヤのある古いレースカーをデザインしようと決めました。アイデアをざっくりと固めた後、まず、リファレンス収集を始めました。
リファレンス
車体のモデリング
モデリングには 3ds Max、ZBrush を使用。車体から着手して、さまざまなパーツが出来上がるまでモデリングを続けます。サブディビジョンレベルはできるだけ低くしておきましょう。そうしないと、作業がすぐに重くなってしまいます。その後、3ds Max のサブディビジョンでメッシュを滑らかにします。
まず、ポリゴン毎に作業するテクニックで、ベースメッシュを作成。その後に ZBrush に書き出し、ディテールを追加していきます。
モデリングを開始 - ホイールのアーチ
車体のメッシュ
ディテールのモデリング
シンプルなオブジェクトから始めて、複雑なものへと移っていく方法が私の好みです。側面のグリルパネルは、シンプルな円柱から始めて、[ポリゴンを編集](Edit Poly)で変換していきました。すべての円柱が終わったら、 3ds Max から ZBrush のダイナメッシュ(DynaMesh)に部分的に書き出します。シンプルなブラシで、損傷のルックを作成。このプロジェクトでは、それほど重要ではありませんが[ZRemesher]はポリゴン数の調整に最適です。
サイドグリルの組み立て
ここでは 3ds Max しか使いませんでしたが、エンジンの作成にも同じテクニックを使います。タイヤは 3ds Max と ZBrush で、同様の基本的なテクニックで作業します。
エンジン
タイヤ
チェーンと有刺鉄線
チェーンの作成は、シンプルな輪っかを作り、それを必要な長さになるまで複製するだけの作業です。[円環体]>[ポリゴンを編集]>[エッジを押し出し]>[コピー]>[アタッチ](Torus>EditPoly>ExtrudeEdge>Copy>Attach)のワークフローで作業しました。[パス変形バインディング](PathDeform Binding)モディファイヤでピースを接続していくと、問題が生じることがあります。その場合には、スプラインで修正します。
輪っかをつなげます
チェーンの問題を修正します
仕上がったチェーン
有刺鉄線は比較的作成が簡単で、[ツイスト](Twist)モディファイヤと[ベンド](Bend)モディファイヤを使用して、とげの部分を作り、鉄線に沿ってさまざまなアングルで回転させ、一定間隔で配置します。
とげ、鉄線
有刺鉄線のボール
すべてをまとめる
モデリングしたパーツをすべてまとめて、シンプルな環境を作成します。地面はシンプルな平原で、スカルプトのために、すべてを ZBrush に書き出し、最後にディスプレイスメントマップを書き出します。草、植物もいくつか作成、3ds Max 用プラグイン MultiScatter でシーンに配置しました。
すべてをまとめます
地面のディスプレイスメントマップ